新型コロナの感染拡大で一変した日常生活は、一向に元に戻れない。そんな中、米三大プロスポーツのうちのバスケと野球で、コロナを吹っ飛ばす勢いで快進撃を続けた地元2球団がやってくれた。
 まずは10年ぶりに優勝を果たしたレーカーズ。名門チームにとって屈辱的な低迷期を経ての復活劇だったが、シーズン中には悲劇が起こった。好調を維持していた1月にレーカーズ一筋でプレーしたレジェンド、コービー・ブライアントが不慮の事故に遭い他界した。悲しみに暮れる中、町のあちこちに追悼の壁画が描かれ、選手はいっそう士気を高めた。ファンと心を一つにして勝ち取った栄冠を天国の英雄にささげ、印象深いシーズンだった。
 もう一つはコービーも愛したドジャース。昨季までの3年間で2度、ワールドシリーズに進んだものの、いずれもあと一歩のところで涙をのんだだけに、苦しみを乗り越えた勝利の美酒は、さぞうまかったことだろう。チームを優勝に導いたロバーツ監督は、沖縄生まれのハーフ日本人。誇らしい。要所で見せた采配は光り、名監督と呼ばれるのはそう遠い日ではないだろう。
 ともにコロナにより大幅な制限を受けた歴史的なシーズンを制した。だが、無観客や入場者数制限を強いられ、地元ファンにその勇姿を存分には見せることができず、もちろん凱旋(がいせん)パレードもご法度だった。その鬱憤(うっぷん)を晴らそうとしたのか、ファンがはしゃぎ過ぎてしまった。郡の公衆衛生局が苦言を呈したように、歓喜の渦の中ではソーシャルディスタンスは忘れ去られ過密状態。さらに、一部は暴徒と化してしまい、全米にLAの醜態をさらしてしまい恥ずかしい。
 そして、もう一つ歴史的なパンデミックの中で激戦を繰り広げたのが、渦中の大統領選。開票速報では全米の地図が示され、各候補が勝利を収めた州は政党カラーの赤か青で染められ、天下統一を目指した戦国時代の国盗り合戦を見ているようでおもしろかった。依然として結果が出ず、郵便投票を巡ってせめぎ合いが続くようだが、醜い法廷闘争は避けてもらいたい。国民は長引くコロナの影響で疲弊している。これ以上、混乱させてはならない。【永田 潤】

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