さくらガーデンズICFの諸問題解決へ協力した支援者への感謝の表彰式
 さくらガーデンズ中間看護施設(ICF)の取り壊しと高齢居住者の移転問題に対する反対運動は、居住者の立ち退きが始まり、運動に力を注いだ関係者への感謝表彰を行ったことで一つの区切りを迎えたように見受けられた。だがこの日、立ち退き期限が迫る中で支援者たちが新たな挑戦の準備をしていることも分かった。

あいさつに立つレイ・フクモト師
 「感謝お盆」集会は12日、ボイルハイツの立正佼成会仏教教会の中庭を借りて開催された。主催団体「セイブ・アワー・シニアズ・ネットワーク(SOS)」の広報担当ミッチェル・マツムラ氏によれば、この集会は「高齢者たち、特に居住者やその家族らのために惜しみない支援と感銘を与えた人々に感謝の意を表す」ために企画された。アル・ムラツチ議員、ミゲル・サンティアゴ議員を含む約60人が出席した。小東京「AZAY」の広瀬シェフが調理したお弁当をテントの下で食べながら、登壇する表彰者それぞれに拍手を送る参加者の多くにとって、この日はパンデミックが1年半前に始まって以来、最初の「フィジカルな」お盆の集まりでもあった。イーストロサンゼルス太鼓も演奏を行った。
 さくらガーデンズを経営するパシフィカ社は5月18日に、毎年の継続的な営業損失を理由に7月20日をもってICFを閉鎖すると発表した。ただし、さくらガーデンズのその他の施設は引き続き営業されるというのが、当日時点での状況。老人ホーム改革を啓蒙するカリフォルニア・アドボケーツ・フォー・ナーシング・ホーム・リフォーム(CANHR)」のマイク・ダーク弁護士はこの日、立ち退きと闘うための行動計画の概要を説明した。「さくらガーデンズの住人は施設入居者でなく隣人だ。常にそのために闘う価値があるコミュニティーである。パシフィカは7月20日をさくらICFの閉鎖日としているが、ここにいる人々はそれを防ぐ力を持っている」と述べ、立ち退き不当の訴えや一時的な差し止めなどの法的措置がとれる可能性について触れ、「できることはまだある」と話した。
ICF居住者の安全を守るために運動する女優のタムリン・トミタさん
 プログラムを進行した女優で活動家のタムリン・トミタ氏と、ロサンゼルス市議会ケビン・デ・リオン議員の代理である上級顧問のウォーレン・フルタニ氏の2人が、初期の頃からSOSの活動に関与してきた勇敢な人々に、評議会14地区からの表彰状を贈呈した。
 受賞者は、フランシーヌ・イマイ、マイケル・トージ、ケン・ナカヤマ、カリー・ホリエ・アディソン、マーガレット・ミヤウチ・ルオン、ショウコ・コシカワ、松本健医師、マセオ・エルナンデスの各氏。またボイルハイツ近隣協議会からデビッド・シルバ、ビビアン・エスカランテ、キャロルズ・モンテスの各氏も表彰された。
 ウォーレン・フルタニ氏は、「SOSは、さくらICFだけでなく、地域のさまざまな問題のための闘いの最前線に立ってくる。われわれが高齢者の救済について話すとき、それは別のグループの人々について話しているのではなく、われわれ自身を、われわれのコミュニティーを救うことについて話しているのだ」と強調した。
 一連の表彰の後、「皆で踊りましょう、正当を求める一般人として、ひとつになるために」というレイ・フクモト師の呼び掛けに応じて輪を作った参加者は、2年ぶりの盆踊りのステップを踏んだ。最初の1曲はモダンな盆踊りの名曲「万物のつながり」、そして次は「幸せサンバ」。パシフィカ経営の施設で新型コロナにより亡くなった122人の高齢者のために、小さな盆踊りの輪が揺れた。【エレン・エンドウ、長井智子、写真=マリオ・レイエス】
輪になって2年ぶりの盆踊りを楽しみ、結束を強めた参加者

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