ロングビーチのシティーカレッジが夜間にキャンパス内の駐車場をホームレス学生に開放するというニュースを聞いた。夜中は警備員が巡回するので安全、Wi―Fiも、朝にはシャワーも使える。安心して車中で寝泊まりし、より学業に専念できるという。こんな配慮は全大学中でも珍しいらしい。
 ホームレスの大学生?と耳を疑ったが、調べていくと目新しいことではなく、これまでも州内では大学生の4・3%程度がホームレスだという事実があった。(2018~19年度、UCLA調べ)
 確かにホームレスになるのが簡単な社会ではある。10年ほど前にオレンジカウンティーでルームメートだった米国人女性は、離婚で家を出て仕事が見つかるまでの数カ月は「車の中で寝泊まりしていた」と、こともなげに話していた。
 また、ある時、娘と言ってもいいぐらい年下の日本人の友人から「新しいボーイフレンドができたので会ってみてほしい」と値踏み(?)を頼まれ、保護者風を吹かしに出掛けてみると、その好青年は仕事もあり、趣味は飛行機でセスナを誰かと共同所有し、先日も彼の操縦でラスベガスまで夜間飛行を楽しんだというのだが、「家は?」と尋ねると「今はfriends & familiesで転々としている」と言った。
 「智子さん、どう思いましたか? 彼は飛行機を持っているからお金持ちなんでしょうか、家がなくて居候ということはホームレスなんでしょうか」。彼女の問いに、私は考え込んでしまった。日本人の私としての常識か、ここは外国だからと割り引いて考えるべきか。彼女には「まあ、ちょっと変わり者かもね」とお茶を濁したが、自分の息子にだったら「家もないのにデートとはいいご身分ですね」と言いたいところである。
 好ましくはないとしても、異常というほどの状況でもない。それがホームレスの現実かもしれない。だが、大学生活をホームレスで過ごす苦学生がいるとは、しかも25人に1人とは、いかにも気の毒なニュースと胸が痛む。それとも、これは日本から来た自分だけが感じることだろうか。これって普通? 時々、投げ掛けたくなる疑問が湧いてくる。【長井智子】

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