東京五輪の体操女子個人総合で獲得した金メダルを掲げる米国のスニサ・リー選手=2021年7月29日(AP)

 東京五輪で金メダルを獲得したスニサ・リーさんが、先月ロサンゼルスでヘイトクライムの被害に遭ったことをオンラインメディアの取材で明かした。リーさんは人種差別的な言葉を投げ掛けられた上、ペッパースプレー(催涙剤)を吹き付けられたという。米メディアが報じた。

豪華な衣装を身にまとい、メトロポリタン美術館のガライベントに参加し、メディアの写真撮影に応じるたスニサ・リーさん=9日13日(AP)

 リーさんによると、アジア系の友人たちと出掛けて配車サービス「ウーバー」を待っていたところに複数が乗車した車が通り掛かり、リーさんたちを「チン・チョン」などのアジア系を蔑称する言葉でさげすみ、「国に帰れ」などとはやしたてた。さらにその中の1人が車中からリーさんの腕にペッパースプレーを噴射して、去っていったという。「非常に怒りを覚えたが、車はすぐに走り去ってしまったので、私には何もできなかった」とリーさんは話している。被害に遭った場所や時間などの詳細は不明だが、リーさんはテレビ番組「Dancing with the Stars」の撮影のためロサンゼルスに滞在していた。

 リーさんは、東南アジアの少数民族モン族のルーツを持つ米国人として初めて五輪に出場。今年の東京大会で体操女子個人総合の金メダルを獲得した。 米国ではコロナ禍でアジア人に対するヘイトクライムが増加しており、9月には、オレンジ市の公園で東京五輪に出場した女子空手の國米櫻さん(28)に対して中傷や唾を吐きかけるなどの嫌がらせをした男がヘイトクライムの罪で起訴されている。

 ロサンゼルス郡のコミッション・オン・ヒューマンリレーションが10月に発表した報告書によると、2020年にアジア系に対するヘイトクライムが76%急増。同郡で報告された44件の事件のうち、4分の3以上が物理的な暴力を伴うものだった。また、コロナ禍に関連した人種差別を動機とする事件の被害データを収集している非営利団体「Stop AAPI Hate」には、20年3月から21年6月の間に9081件の事件が報告されている。  バイデン大統領は5月20日にアジア系住民に向けられたヘイトクライムの調査を迅速化する「COVID-19 Hate Crimes Act」に署名している。

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