ウエストハリウッドの飲食店とホテルの従業員の最低賃金は、来年から全米最高水準になる

 ウエストハリウッド市議会は4日未明、ホテルやレストランなどで働く従業員の最低賃金を引き上げる条例を全会一致で承認した。これにより、地域の一部労働者の最低時給は17・64ドルに上がり、全米で最も高い水準となる。ロサンゼルス・タイムズが報じた。
 新賃金は業種別にいくつかのカテゴリーに分けられ、2022年から改定される。まずは、1月1日からホテルの従業員の賃金が時給17・64ドルになり、これは本年7月に決定したロサンゼルス、サンタモニカと同水準となる。また、ホテル以外では、従業員50人以上の企業の時給が15・50ドル、同49人以下の時給が15ドルに改定される。その後も半年ごとに引き上げられ、23年1月にはそれぞれ17・50ドル、17ドルになる予定だ。
 同市議会が承認した新賃金は、22年1月から従業員26人以上の企業を対象に引き上げられるカリフォルニア州の州内最低時給14ドルよりも高い。また、09年から停滞している連邦政府の最低時給7・25ドルをはるかに上回っている。
 ウエストハリウッドのセピ・シャイン市長代理によると、23年7月までに全てのホテルや企業で時給が改定されることを目標としており、その額は消費者物価指数に連動して18・77ドル程度になると述べている。
 また同市の新条例には、年間最低96時間の有給休暇なども含まれており、これは最低賃金で働く労働者にとって「非常に大きなことだ」とシャイン市長代理氏は話している。なお、新条例には、条例による労働力損失や大幅な収入減を見込む雇用主への免除措置が含まれており、免除が認められれば、雇用主は最大1年間、州の最低賃金を支払うことができる。
 現在、同市の最低賃金は、企業の規模にもよるが、時給13ドルから14ドルの間で推移。市議会に提出された書類にはマサチューセッツ工科大学による生活賃金計算が報告されており、ロサンゼルス郡の子どものいない独身者の適当な生活賃金は時給19・35ドルだという。   
 承認された最低賃金改定に対する反応はさまざまで、レストランを経営しているウォルター・シルド氏は、賃上げによって年間40万ドル近くの経費が発生するため「生き残れない」と語っている。同氏によると、ウエストハリウッドは、近隣のロサンゼルスやビバリーヒルズのビジネスと競合しており、これらの地域よりも著しく高い賃金を要求されると経営は不利だという。
 一方で、現在の時給は生活水準に達していないと主張し、同法案を強く支持する意見もある。ジョン・ダミコ市議は、同市では過去20年間で商業施設の資産価値が500%以上上昇しているのに対し、施設所有者が従業員に支払う賃金はほとんど変わっていないと指摘。「コロナ禍で経営者が懸念していることは理解できるが、われわれは他の企業が追随するためのリーダーとしての市を思い描いている」と語った。

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