【清水一路】 規制が緩和されマーケットなどでも列を作らなくて済んだのが、新種株が登場して元のもくあみのように見受けられる。デルタ。オミクロン。今回は感染力が強い新株で新型コロナウイルスの終息にはまだ時間がかかりそうだ。
素人考えだがいずれはこのコロナウイルスもインフルエンザのように、新種のための予防接種を毎年受けるという状況に落ち着くのだろうか。
地球上で生きている生物、特に人間には、その一生の間に一度は、何らかの危機的状況が訪れるように思える。第二次大戦の真最中に青春時代を過ごした母が「あなたたちは幸せよ、私がハタチの頃は好きな服も着られず、お金があってお店に行っても棚は空っぽ。食べるものも芋などで、ぜいたくは一切なかった」「若い男性はみんな戦争に駆り出され、見掛ける青年は障害や病のある人たちだけ」と言うのを何度か耳にした。
戦争は人災で感染症の世界規模のまん延とは違うが、多数の死者が出ている状況は人類の危機に変わりはない。父は大正生まれで、小田原で関東大震災も経験していた。
陰謀論者に限らずワクチンを受けずにいる人たちが多数いる。母子家庭の母が以前に受けた予防注射で九死に一生を得たような経験があれば、ワクチン接種を受けるのをちゅうちょするのは理解できる。受けたいと希望するが他の理由で受けられずにいる人たちが多数いるのも確かだろう。
妻の職場の同僚がオミクロンにかかり、家族全員に感染。報道されている症状の軽さうんぬんとは裏腹に、嘔吐(おうと)、発熱とせきなどの症状を通り抜け、やっと回復したとのことを聞いた。薬もそうだがウイルスへの反応も人それぞれ違う。20年近く前に、知人の妻がインフルエンザにかかり、2週間ほどで帰らぬ人となって驚かされたことを記憶している。
外に出て人混みに一歩踏み入ればそこは戦場だ。オミクロンという目に見えない銃弾がそこら中に飛び交っている。自分の感染に気が付かずに動きまわれば銃弾を放つ立場になる。
3年ほど前「じゃぁ、また来年来るからさ…」と言って別れた日本の友人との再会はいつになるだろう。それまでお互い十分気をつけて。また会う日まで。