磁針:スーザンさんとの再会

 今年も、息子の高校サッカーシーズンが無事に終わった。運動部員は、ワクチン接種の有無にかかわらず毎週コロナ検査を受け、体育館でのスポーツだとマスクをしたままプレーするなど、高校生アスリートもパンデミックならではの経験をしたと思う。
 コロナ禍でビンゴ大会などファンドレイジングの催しが軒並みキャンセルになったこともあり、お金に余裕がない公立高校はユニフォームの新調もできず、サッカーシーズンは親によるユニフォームの修復から始まった。
 このような学校の部活やプライベートのクラブなどで必要不可欠なのが、コーチと保護者の間に入り連絡係となるチームペアレントだ。試合スケジュールの連絡やスナック当番の割り当て、チームミーティングの段取りなど、そのボランティア任務は多岐にわたり、体力や忍耐力、パソコンスキルなどもいる大役だ。
 息子の高校サッカー部で今シーズン、その大役を担ってくれたのが、スーザンさんだった。なんとも珍しい、チームグランマである。息子が小学生時のAYSO(少年サッカー)でもチームグランマをしてくれたことがあり、約7年ぶりの再会だった。うちの息子より一つ年上のお孫さんがいる。7年前に同じチームだったことも覚えていて、見違えるほど大きくなった子供らの成長を喜んだ。
 シアトルに90歳の父親がいるというので、スーザンさんの年齢は70歳前後だろうか。ローラ・ブッシュ元大統領夫人に似た長身で、背筋をピンと伸ばし、80分間の試合中もずっと立ったままでいる。その仕事ぶりは素晴らしく、なんとも心強かった。新任の若いコーチについて、指導経歴や所持するライセンスの種類について説明してくれた時には、「既婚だって情報も入手済みよ、安心ね」と耳元でささやき、ウインクした。基盤の家庭があるから、サッカーの指導に集中してもらえるとの意味だろう。
 息子がサッカーをする姿が見られるのもあと数年かと思うと、ふとさみしくなることがあった。でも、スーザンさんと再会して、新しい夢が芽生えた。私も将来、チームグランマを目指したい。すでに来シーズンが楽しみだ。【平野真紀】

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