約2年半前から続く新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界の人々の社会生活や人生変えられるほどの大きな影響を受けている。目には見えない厄介者を退治するのは至難とあって、収束へ見通しが付かないことは承知していたが、これほど長くなるとは…。
 感染対策で規制が敷かれ、大きな打撃を被った経済。再開以降、これまでの後れを取り戻そう、と頑張り過ぎたのか、旺盛な需要に供給が付いて行けず物不足が起こった。おまけに人材も不足し人件費も上がり逼迫(ひっぱく)している。そして追い打ちを掛けるように、ウクライナで戦争が起こり、食品、ガソリンをはじめとする値上げに釣られ、物価はさらに高騰。対策が講じられているもののインフレはしばらく続くそうで、根気が必要だ。
 コロナ禍で疲れた国民に気を配り、規制を部分的に緩和、撤廃へ向かう世界的な流れの中で、鉄壁の水際対策を誇った日本も入国制限を緩めた。緩和は外圧に屈したように見えるのが残念だが、観光客を呼び戻してようやく築いた観光立国の地位を固めなければならない。緩和によりわれわれの里帰りもしやすくなる。墓参り、親孝行、旧友との再会、観光、買い物、食べ歩き…。やることは盛りだくさん。満喫しよう。
 地元の日系社会も本国に倣うかのように、安全に万全を期してゆっくりだが活動再開に乗り出している。実際のイベントで顔を合わせると「久しぶり~」と再会を喜ぶ声が各所で聞かれる。そして口をそろえるには、「やはりオンライン会合よりも生で会って話をする方がいい」と。習慣を取り戻しつつある喜びを共有できうれしくなった。
 夏が来た南加では、盆踊りが規模を縮小し開かれる。盆踊りカレンダーを作って、各お寺やコミュニティーセンターを回る熱狂的な日系人もいるといい、盛り上がることだろう。朗報は続き、待ち望んでいた二世週祭も帰ってくる。やるのか、やらないのか、なかなか発表されず、やきもきさせた中での「待ってました!」。ありがとう。
 喜ばしい活動再開だが依然、コロナは収束していない。人混みの中に繰り出すのは安全とは言えず、気を緩めないように。(永田 潤)

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です