壇上の吾妻菊寿恵師(中央)から講習を受け熱心に踊る参加者

 2019年を最後にパンデミックのため休止していた二世週祭が3年ぶりに開催されることが決まり、ロサンゼルス・ダウンタウンのセントメアリーズ・エピスコパル教会ホールで6日、舞踊パレードの振り付け講習会が行われた。今年のパレード曲が披露され、日本舞踊吾妻流の吾妻菊寿恵師を中心に、パレードに参加する日舞・民謡会派の代表者らが講習を受けた。今後は各会派がそれぞれの稽古場で、弟子や仲間に教える。8月上旬には小東京で4回の一般公開練習を行い、8月14日のグランドパレード本番に備える。
 二世週祭の舞踊パレードは、舞踊の主要会派が年ごとに持ち回りで選曲・振り付け・先導を担当するが、今年担当の吾妻流は20年に他界した2代目吾妻寿満子師匠をしのび、亡き師が振り付けた「河内おとこ節」と「ワン・ウイッシュ」の2曲を選曲した。

色とりどりの扇が一斉に開く箇所が印象的な「ワン・ウイッシュ」の振り付けの一部

 「河内おとこ節」は1989年に日本の演歌歌手・中村美津子が歌ったヒット曲で、夏祭りにぴったりの陽気な音頭。和太鼓のリズムに乗ってうちわを手にさっそうと踊る。一方、「ワン・ウイッシュ」は世界的な日系米国人バンドの「ヒロシマ」が86年に世に出したインストゥルメンタル曲で、美しい箏の調べに乗ってひらひらと扇が舞う振り付けが美しい。吾妻菊寿恵師は「一見、古典とはかけ離れているように見えるが、ここには寿満子先生が日本で学んだ舞踊『あやめ』から取った、伝統的な日本舞踊の振りが盛り込まれている」と説明した。講習に参加した日本舞踊坂東流の坂東秀十美さん、藤間勘須磨会の藤間勘須美さんと藤間勘須恵さん、日本民謡研究会の井本豊春寿さんら、各会派のリーダーたちは、口々に「伝統を再開できてうれしい」と喜びを語った。パレードでは、一連の短い踊りの手順を繰り返しながら小東京を練り歩く。うちわと扇子を持って踊る2曲について、吾妻菊寿恵師は「(パレードなので)踊りながら前に進むことには気を付けて。でも、踊りは心の赴くままに表現していい」と話し、参加者を勇気付けた。

半分閉じた扇を掲げながらパレードの歩を進める「ワン・ウイッシュ」の振り付けの一部

 小東京の二世週祭は日本と日系米国人の文化を祝う有数の文化とコミュニティーの祭典。今年は例年よりも準備期間は短く、密に対する配慮などの課題もあるが、日系コミュニティーは参加者がパレードで踊りの楽しさと美しさを満喫し、日本人・日系米国人の誇りをアピールすることに期待している。
 グランドパレードは8月14日(日)午後4時開始。街頭音頭(盆踊り)と閉会式は21日(日)午後3時45分開始が予定されている。両イベントとも、会派や日系センターなどの組織に属している人に限らず、個人でも参加できる。
 一般公開の練習は8月2日(火)、4日(木)、9日(火)、11日(木)の4日間、小東京・日米文化会館のJACCCプラザで行われる。午後6時半〜7時半にパレード練習、続いて7時45分から街頭音頭の練習を行う。それに先駆け6日の講習会で収録された練習用の振り付け動画は、近日中にソーシャルメディアなどに公開される予定。 (長井智子、写真も)

舞台上で「河内おとこ節」を踊ってみせる菊寿恵師と吾妻流寿会社中の5人の踊り手 (写真=マリオ・レイエス)

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