米国の国家機構は建国以来、基本的には三権分立制だ。絶対王政フランスで国王の権力が強過ぎる時代の体験から思想家・法学者モンテスキューが思考した制度理論で、1787年起草の合衆国憲法理念に多大なる影響を与えたと言われる。権力を行政権の大統領、立法権の議会、司法権の最高裁に独立分離させ、それぞれがチェック・アンド・バランス(抑制均衡)できるシステムだ。では具体的に何ができるのか?
 議会は行政や判事を監視して公聴会を開ける。下院は大統領弾劾訴追ができ、決議案は単純過半数の賛成で可決でき、上院3分の2の賛成で大統領を解任できる。過去に弾劾追訴された大統領は、アンドリュー・ジョンソン、ニクソン、クリントン、トランプ(2度)の4人で、ニクソンは下院可決前に辞任。3人は下院で可決されたが、皆上院では有罪を(A・ジョンソンは1票差で)免れた。ということは過去に弾劾有罪で解任された大統領はゼロである。
 議会により弾劾裁判を受けた連邦最高裁判事は1805年のサミュエル・チェイスの1人。しかし上院では無罪に。よって過去に弾劾有罪で解任された判事はゼロだ。
 大統領の権限で、連邦最高裁判事候補者を指名し、上院過半数の承認を得て任命できる。不思議に思うのがここだ。大統領好みの判事が本当に中立に国民のために判決できるのか? 大統領には任期制限があるが、判事(当選し続ければ国会議員も)は終身任期。元々は、任命後は終身が確保されるので恐れずにフェアな判断ができるはず、という概念だが、疑問だ。主席判事1人と陪席判事8人の計9人も少ない気がする。わずか9人の分別と大統領の力で、多大なる社会影響を及ぼす権限を持ち過ぎでは? アジア系やネイティブ・アメリカン系はゼロだし、女性もまだまだ少ない。
 6人増やして計15人、任期を12年再任命2回アリ(最長36年)に設定、上院議長と下院議長も1人ずつ計2人を任命でき、大統領の予備任命3人の計5人で2つのスポット枠をくじ引きで獲得できるシステムを提案する。三権分立は多少機能するか?(長土居政史)

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