「心のかたち」展を行う小柳喜美子さん(右)とミチコ・ストーンさん姉妹

 サンディエゴのバルボアパーク内にある日本友好庭園(Japanese Friendship Garden=JFG)展示ホールで29日から、米国在住の姉妹、小柳喜美子さんとミチコ・ストーンさんによる「心のかたち」展が始まる。2人のアーティストは、伝統的な日本の人形作りの工程と向き合いながら、それぞれの現代的な表現を探求している。展示は10月30日まで。
 東京下町の老舗人形工房「村岡」の家に生まれた姉妹は第3世代の人形作家。桐の木粉とのりを混ぜ合わせた桐塑(とうそ)と呼ばれる材料や、貝殻から得られる胡粉(ごふん)と呼ばれる顔料を用いた技法は経験だけがものをいい、教科書や美術学校では教えられない職人の技だが、家業の人形作りを大家族の全員が手伝うような家庭環境で育ち若くして経験を積んだ。兄弟が家業を継ぐ伝統の道に進むのとは対象的に、海外に飛び立ち自身の表現を求めて制作を続けた。

伝統的な日本人形制作の技法で表現された小柳喜美子さんの作品

 生来のアーティストである姉の喜美子さんは日系カナダ人の夫との結婚を機にカナダに移り住み、日本の家族に伝わる伝統的な人形作りと向き合いながら、60年以上にわたって独特の彫刻的な人形像を制作してきた。深い感情と哲学的な趣意が、喜美子さんの作品の現代的な表現に浸透している。これまで、東京、バンクーバー、トロント、メキシコシティー、ニューヨーク、ロサンゼルスなど世界各地で展示を行ってきた。
 妹のミチコ・ストーンさんは、20年のマレーシア生活を経て米国にわたり在米35年を数える日本人アーティスト。ミチコさんもまた家伝の伝統的な人形制作技法を用いるが、独自の解釈は詩的な作風を生み出している。ミチコさんの作品は喜美子さんおよび「村岡家」の作品と共に日本、マレーシア、カナダ、米国で展示されてきた。
 喜美子さんは2019年にカナダからロサンゼルスに拠点を移しており、このたびラホーヤ在住のミチコさんと一緒にサンディエゴで初めて作品を展示する。
 日本友好庭園・展示ホール(アッパーガーデン)
 時間 午前10時〜午後6時(9月5日以降は午後5時まで)。入園料は大人(18歳以上)12ドル、学生、シニア(65歳以上)、ミリタリーは10ドル。
 特別イベント開催の期間中は開館時間が変更になる場合がある。

 電話619・232・2721。
 詳細はウェブサイト—
 https://www.niwa.org/exhibits-list/2022/7/29/kokoro-no-katachi-image-of-the-heart

バルボア公園内の日本友好庭園。水景はサンディエゴ流域をほうふつさせる

 サンディエゴの日本友好庭園(JFG)はバルボア公園内にあり、1991年の初公開以来、米国内外から毎年33万人以上が訪れている。99年に公開された第2期は著名な日本人造園家の上杉武夫氏が設計し、展示ホール、アクティビティーセンター、コイの池が追加された。2015年に完成した第3期では桜の木200本、ツツジと椿の大庭園、サンディエゴ流域をほうふつさせる水景、最新鋭のイナモリ・パビリオンが建設された。
 12エーカーを有する敷地はサンディエゴと姉妹都市・横浜との友情を象徴し、日本とサンディエゴに自生する植物で造園されている。日本的なつつましさ、静寂、耽美主義が調和した安らぎの場を提供し、人間と自然の関係を育んでいる。また、同園は伝統的な日本庭園の開発を通じて日本と日系地域社会の文化を多様な背景を持つ人々に知らしめることを使命とし、日本文化への啓蒙と理解を深めるさまざまな教育プログラム、展示、文化フェスティバルを園内で提供している。
 Japanese Friendship Garden
 2215 Pan American Road. E,
 San Diego, CA 92101

日毎年33万人以上が訪れている日本友好庭園

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