雨に洗われた秋の日本庭園で親睦茶会が行われた
茶碗を受け取る正客の青島尚重首席領事。右隣は同門会の佐野会長

 茶道の表千家同門会はこのほど、コロナ禍が落ち着いてから初めての親睦茶会を催した。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校(CSULB)の校内にあるアール・バーンズ・ミラー日本庭園を会場に、午前と午後合わせて150人の参加者を集めた。そのうち50人はホイットニー高校の茶道部の生徒やCSULBの日本語専攻の学生らで同会が招待した。
 日本庭園の秋の彩りの中、茶席は薄茶の「立礼席」と、濃茶の「本席」の2席、および点心席(昼食)を仕出しにより設えた。
 表千家同門会米国南加支部は佐野吉弘会長、岡添幸子事務局長以下、170人ほどが会員として活動を行っている。コロナ禍による休止をはさんで3年ぶりの再開という事情を鑑み、秋の親睦茶会を初めて屋外で開催した。折しも前日はロサンゼルスには珍しい大雨の悪天候だったが、それも当日朝には回復した。関係者は胸をなで下ろしたという。

岡添宗幸社中による立礼席の点前

 立礼席は池を背景にヤナギの木の下で行われ、客人は雨に洗われ美しさを増す木立の中で岡添宗幸社中による手前を鑑賞した。
 ホイットニー高校茶道部の生徒を引率して参加したキンバリー・スズキ先生は立礼席を終えて「茶道部で習っていることが出てくるので、これまでと見方が違った」と印象を話した。同校から参加した8人の生徒と、茶室で行われる本席に向かって園内を移動した。午後にも4人が参加したという。
 緩やかな坂を上った木陰にたたずむ茶室では、和服姿の正客が茶室内に入り、田中・並木社中の点前が進行した。

スズキ先生(右)とホイットニー高の生徒たち

 在ロサンゼルス日本総領事館の青島尚重首席領事は「茶道には書、花、陶芸、塗り物など日本文化が凝縮されているので、体験することで日本の良さを分かっていただけると思う」と話し、「特に今日はカリフォルニアにいると思えない純日本庭園の中で行われ、本当に景色が素晴らしかった」と印象を口にした。「学んでいる人にとっても、練習の場から出て、このような場所でお茶の道具を見る機会はなかなかない」と日本庭園での開催の意義を強調した。
 アール・バーンズ・ミラー日本庭園にはコイの泳ぐ池や橋、クロマツやモミジ、ヤナギなどの木々が配され、着物姿の参加者がそぞろ歩く姿とよく調和した。参加者からは「長くこちらに住んでいるがこの庭園は初めて」「こんなところがあるとは驚いた」といった声が聞かれた。1・3エーカーの庭園は大学のキャンパス内にあることと、入場は無料だが事前予約が必要なことなどから、案外「知られざる場所」であるようだ。
 日本庭園との融合で、秋の茶会は和の雰囲気に満ちた親睦の1日となった。(長井智子、写真も)

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