
記念イベントの締めくくりとして市内のダブルツリーホテルで記念夕食会が開かれた。およそ160人が見守る中、トーレンスのジョージ・K・チェン市長と柏市の太田和美市長が新たな姉妹都市50年を目指して提携の再調印を行った。

両市の姉妹都市提携は1973年に始まり、柏市は国際交流協会(KIRA)が、トーレンスは姉妹都市協会(TSCA)が事業を行ってきた。日本のKIRAはトーランス派遣ブログラムの他、他都市も含めた姉妹都市や友好都市、英語を含む語学教室のプログラムも行っている。今回はKIRA24人、市役所から市長、次長、秘書など6人、一般募集で15人の一行となった。
TSCAのダナ・ダンラップ会長は50周年記念式典を前に姉妹都市協会の創始者でプログラムをけん引してきたミコ・ヘンソンさんが急逝したことに触れ、「ミコさんを失った後に後継者の重責を担うのは大変だが、残った者が情熱を持って取り組んだ。ミコさんもきっと喜んでくれているだろう」と話し、関係者に謝意を示した。アイリーン・ウイロビーさんやウェンディー・イトウさんらの努力でミコさんが抜けた大きな穴を埋め、50年記念行事を成功に導くことができたと感謝した。
夕食会はチェン市長の乾杯の音頭でスタートし、調印式を柱に記念品の交換、柏市北柏町の「トーランス通り」を披露する日本からの生中継ビデオ配信、黄色の新しい友好法被のお披露目などを行い、最後は全員が「柏踊り」の大きな輪を作った。

KIRAの小菅あけみ会長は「50周年の記念行事で、柏の通りに、トーランス通りと名付けることができてうれしい。ミコさんも喜んでいることだろう。これを機にもっと市民の人々の交流の輪が広がってほしい」と願った。
50周年行事の実行委員長・藤原雅子さんはこれまで訪日派遣団を自宅にホームステイで迎えてきた。TSCA現会長のダンラップさんも、派遣団の団長として日本を訪れた際に藤原さんの家にホームステイしたという。今 回の旅で「40年前にわが家にステイした方、30年前にステイしてくださった方、皆と再会して、本当にびっくりした」と話す。「人と人との強いつながりを感じる」と感慨深げだ。
ダンラップさんの娘のカーラ・イードさんは派遣団として高校生の時の日本が最初。最近は派遣団の引率者として22年に訪日した。「日本訪問で得た新しい文化の体験、その全てが自分の目を世界に開かせたといえる。人生を変える経験だった」と話す。弟は姉妹都市の派遣がきっかけで米国に住むようになった日本人女性と結婚した。会長のダンラップさん以下、家族全員が深く、柏との姉妹都市交流に貢献している。
新たな調印を終えて、これまでよりさらに一層活発なプログラムの継続を誓った2市。5年ごとに行っているトーレンスからの市民派遣団は10月に訪日を予定している。
柏市の太田和美市長は、市長になって1年3カ月で、これが初めての外遊という。「姉妹都市の50周年がこんなに愛されて、盛り上がった。北柏町のトーランス通りの命名も、市民から自発的に生まれた。それぞれの市民が交流を大切に考えている。今回大変な歓迎をしていただいたので、今度は日本で、おもてなしをしたい。日本に戻って計画を立てたい」と話す。TSCAは4月15、16日の2日間、毎年恒例の「トーレンス文化祭」を開催し、姉妹都市プログラムの資金を集める。(長井智子、写真も)
