校長を務めるSake School of Americaで教える上野氏

 日本政府はこのほど、令和5年度外務大臣表彰を発表し、在ロサンゼルス日本総領事館管轄区域ではロサンゼルスの日本酒専門学校「Sake Schoolof America(SSA)」校長の上野俊男氏が選ばれた。上野氏は2021年に農林水産省より「日本食普及の親善大使」に任命されており、長年にわたり米国での和食および日本酒の普及に貢献したことが認められての受賞となった。

令和5年度外務大臣表彰を受ける上野俊男氏

 上野氏は山梨県甲州市出身。ノースカロライナ州にあるギルフォード大学経済学部を卒業。ロサンゼルスにある1926年創業の日本食・日本酒の輸入販売業「ミューチュアル・トレーディング社(MTC)」に2002年に入社した。10年、MTCが所有するSSAの設立に携わる。SSAは、日本最大の日本酒ソムリエ資格認定団体である「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI=Sake Service Institute International)や、「日本ソムリエ協会(JAPAN Sommelier Association)」、「WSET(Wine & Spirit Education Trust)」、「Society of Wine Educators」といった国内外の権威ある団体から承認を得ている。日本酒、焼酎、蒸留酒を含む和酒に関する教育訓練の場として優秀な人材を育成し、これまで2800人以上の酒スペシャリストを世界へ送り出している。

セミナーで日本酒を分かりやすく説明する上野氏

 上野氏は16年、日本酒造青年協議会から「酒サムライ」に任命され、世界に日本酒と和食文化を一層広めることに努めている。19年には米国におけるワイン教育機関である「Society of Wine Educators」のディレクターに任命され、和酒の世界普及に力を注いでいる。ソムリエ育成を目的としたイベント「SommCon」などのセミナーで講師として日本酒、焼酎、日本産ワインの紹介に努めたり、料理学校として世界一と評されるナパの「Culinary Institute of America Greystone」や「Napa Valley College」、「Cal Poly Pomona Collins College」のワインプログラム客員講師、ワイン専門学校「Napa Valley Wine Academy」と「Texas Wine School」の日本酒講師を務める。さらに米国のみならず北南米、欧州、中国などで開催される世界トップレベルのワイン/スピリッツの品評会の審査員に選ばれている。
 外務大臣表彰は1984年に開始され、国際関係のさまざまな分野で活躍し、日本と諸外国との友好親善関係の増進に、特に顕著な功績があった個人および団体について、その功績をたたえるとともに、活動に対する日本国民の理解と支持をいっそう深めることを目的としている。
 上野氏は12月6日に総領事公邸で行われる伝達式に臨み、曽根健孝総領事から表彰を受ける。

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