家族で演奏する「YOYOKA&Fmily」。平田真希子さん(左)も演奏に加わり盛り上げた
理事長代理就任のあいさつに立つ飯富崇生さん

 オーロラ日本語奨学金基金(阿岸明子理事長)はこのほど、設立25周年記念の「秋のベネフィット・イベント」を小東京の全米日系人博物館(JANM)で開いた。曽根健孝・在ロサンゼルス日本総領事が基調講演し、国際ピアニストの平田真希子さんと、1年前に北海道から米移住し音楽活動に打ち込む14歳の少女ドラマーYOYOKAさんとその家族によるロックバンド「YOYOKA&Family」が演奏した。来年1月末に退任する阿岸理事長の後任の飯富崇生さんが理事長代理として紹介され、期待を込めた大きな拍手が送られた。
 オーロラ基金は毎年秋にベネフィット・イベントを開いてきた。今年はJANMや日米文化会館など、オーロラ基金の活動の趣旨に賛同する日系諸団体と個人から多大な協力を得て開催が実現した。和食弁当を食べ、総領事の講演を聞き、ピアノとバンド演奏を鑑賞するディナーショー形式で行われ、参加者約150人が芸術の秋を堪能した。

ピアノ演奏に加え、「音楽は世界の共通語」という理想を熱く語る平田真希子さん

 平田さんは最初にショパンの作品25—1のエチュード「エオリアンハープ」を演奏。またフェデリコ・モンポ作曲の前奏曲8番「一滴の水について」を弾いた。19世紀のドイツ人作曲家ロバート・シューマン作曲の有名な「トロイメライ(夢)」が、山田耕作作曲の「赤とんぼ」のメロディーに酷似していることを紹介し、「音楽は世界の共通語」という理想を熱く語った。阿岸さんの活動について、日本語教育の支援や音楽プロダクションとして長年日米の懸け橋となってきたことを称賛し、「私も明子さんの『世界は一つ』の思いを継ぎたい。次の曲『トロイメライ』を明子さんにささげる」と述べ、演奏に入った。
 平田さんはYOYOKAさん家族の演奏に加わって会場を盛り上げた。演奏後には「世代も音楽の背景も違うわれわれが音楽で一つになるシンボリックなステージを見せることができた」と喜んだ。イベントについては「オーロラ基金の25周年を記念した華やかなイベントに音楽を添えさせてもらい光栄に思う」と話し、「来年1月に開催する音楽家のさだまさしさんを招いた記念公演を心待ちにしている」と期待を寄せた。
 YOYOKAさん家族4人にとって、この日のイベントはロサンゼルスに移り住んでから家族バンドとして行う初めての演奏。YOYOKAさんのドラムソロを皮切りに、ロック音楽を主に家族のオリジナル曲、人気ミュージシャンのカバー曲など5曲を披露した。「皆さんに家族の温かさが伝わるような演奏を聴かせたい」という家族の願い通り、1曲終わるごとに温かい拍手が送られた。
 YOYOKAさんの父の章文さんによると、米移住は子ども2人の音楽の才能と可能性を伸ばすために決めたという。YOYOKAさんは各所のイベントで演奏したり著名なミュージシャンとコラボレーションしたりして経験を積み、日米友好の一翼を担っている。章文さんは、オーロラ基金の活動について「次の未来をつくる若者にとって希望の活動を行なっている。これからますますグローバルな経験が求められる世界の中で、さらなる発展を応援したい」とエールを送った。

基調講演を行う曽根健孝総領事

 曽根総領事は、自身の外交官の経験を基に次世代を担う若者に期待を込め「Hopes for the Future: Sharing my Experiences with Youth Bridging Japan and the United States」と題し講演した。三つのポイント①日米同盟は耕して育てるもの②夢を大きく持ち続け、諦めずに頑張り続けること③困った時に助けてくれる友こそ真の友—をテーマに展開。特に③は、2011年に発生した東日本大震災で被災地救済の「トモダチ作戦」を実施した米国について、「助けてもらい、大きな希望をもらった。米国は常に希望を与えてくれる」と強調した。また、15年に当時の安倍首相がワシントンDCで演説した際に「日米同盟は希望の同盟である」と述べた言葉について、「米国は日本が困った時に希望をもたらしてくれたからだ」と説明し、「その希望を胸に、困った時にお互いに助け合える関係が希望の同盟であり、世界を助けることにつながればいい」と力を込めた。
 この日がお披露目となった理事長代理の飯富さんがあいさつに立ち、自己紹介と抱負を語った。飯富さんは写真家業の傍らオーロラ基金で精力的に奉仕しており、「オーロラで10年以上、阿岸さんとさまざまなプロジェクトを実施した。阿岸さんから組織を率いる立場として働くための多くを学んだ」と語った。阿岸さんの人柄の良さにも触れ、「人との出会いを大切にし、お世話になれば丁寧にお礼をする。人生の先輩の模範であり引き付けられた」と敬意を込めた。
 飯富さんは、阿岸さんの経営するエンターテインメント会社「CEI」が支援する北海道・礼文島からの中学生交換プログラムも手伝っており、奉仕仲間から絶大な信頼を得ている。オーロラ基金では4年前に理事会入りし、行動力と誠実な人柄が評価され理事長候補として白羽の矢が立った。「多くの人が推薦してくれたので引き受けようと思った。時代の変化に対応して運営し、支持者の期待に応えることができるように学びながら、自分と組織が成長できるように頑張りたい」と抱負を述べた。

あいさつに立つ阿岸明子理事長

 阿岸さんは飯富さんについて「リーダシップがあり、責任を持って仕事を確実にこなしてくれる。オーロラ基金を発展させる適任者である。推薦委員会の選考を経て理事も賛同してくれたので、いいバトンタッチができ、期待が持てる」と話した。
 阿岸さんは1998年の基金設立者で、設立以来理事長を務めている。さだまさしさんも設立時から名誉会長を務めており、2人は1月の25周年記念イベントで同時に退任する。阿岸さんはその後会長として理事会に留まり、基金を支える。
 阿岸さんにとって講演と音楽演奏を組み合わせたイベントは今回が初の試みだったが、「日系社会の多くの方々から協力してもらい、とてもいい会になった。参加した皆さんに楽しんでもらうことができて良かった」と喜んだ。
 オーロラ基金は、さだまさしさんを迎え設立25周年記念のベネフィットコンサートを1月21日(日)午後3時半から、小東京のアラタニ劇場で行う。さださんは同コンサートにこれまで4回出演してきたが、次回が最後となる。
 チケットは全席指定で40、60、100、150ドルの4種類。
 購入はウェブサイト—
 https://jaccc.org/events/
 またはアラタニ劇場のボックスオフィス(水〜金曜午前11時から午後2時)
 またはオーラロ基金事務所にメールで問い合わせ—
 aurorafoundation@usa.net
 オーラロ基金のウェブサイト—
 www.jlsf-aurora.org

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