明けましておめでとうございます。
 と、ことほいでよいのかどうか、石川県能登の大地震と、東京国際空港での日航機と被災地への救援物資を積んだ自衛隊の航空機が衝突炎上という大事故が相次いだ年明けのニュースが一瞬信じられなかった。
 そんな混乱の中で、日航機の乗客全員が死者を出さずに避難できた事実に唯一ホッとした。元旦にシカゴを出発して日本に赴任する友人の飛行機が羽田着だったことから混乱に巻き込まれたのではと心配したが、事故の前に到着したそうで、このニュースにも緊張がほどけた。
 さて今年は、私がシカゴ定住者会に就職して25年目になる。そしてこの職場は54年目にして今年新しいロケーションに移転することになっている。
 そこで1月2日の仕事始めから、時ならぬ大掃除が始まった。昨年から、ある程度の予定は立てていたものの半世紀プラスの間に溜まった物が、出てくるわ、出てくるわ。大方がコミュニティーの支援者や企業から長年にわたって寄付していただいた物で、年に2回は開催するファンドレイジング・イベントのサイレント・オークションなどで運営資金を集める大きな力になっている。
 「こんなにあったの?」
 箱を棚から出して開くたびに何度このセリフを言ったことか。
 そこで当然ながら移転の荷物を減らすために週末2日間にわたって「引っ越しセール」を開催することになった。
 プログラムや催しの予定を調整しながら決めた開催日の天気予報は、よりにもよって今冬ずっと素通りしていた大雪警報。どのテレビ局も自信たっぷりに100%雪の予報を出している。予定を変更できないところまで開催日が迫っている今、「やるしかない」と、まさに運を天に任せる気持ちで雪をものともせずお客が来てくれるのを祈るだけ。
 自然が、人間の日々の平和な暮らし、ましてや勝手に予定した引っ越しセールなど考慮するはずもない。
 地震、津波、洪水、竜巻、火山の噴火、十指に余る天災がクリスマスと言わず、新年と言わず予告もなく人間を襲ってくるのは、自然を破壊し、戦争を続ける愚かな人間への警告だろうか。(川口加代子)

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