すがすがしい新年の朝を迎え、お節料理を食べる、一年の計を立てるなど、元日の過ごし方は人さまざま。4年前に新型コロナ禍が始まって以来、さほど感染の心配をせずに済む今年は一番明るい年始となったのではないだろうか。
 今年はうるう年に当たり、「米大統領選挙」「夏季五輪・パラリンピック」という4年に1度の大きなイベントが重なる忙しい年になる。
 大統領選はどうやら4年前の再現になりそうだ。バイデンさん再選か? トランプさん返り咲きか? ということは各党史上最高齢が懸念される同じ顔合わせとなり、新鮮さに欠け面白みは半減してもしょうがない。前回は不正疑惑があり、もめにもめて醜い事態になった。世界を動かす超大国のトップを決める選挙だけに今年は恥をさらけ出すのは勘弁してもらいたい。
 五輪は世界のトップアスリートが競う最高峰の舞台。パリ行きの切符を懸け各競技・種目の代表権争いが佳境を迎えており、五輪ムードは高まりつつある。米データ会社の予想によると、母国日本の金メダル獲得はお家芸の柔道をはじめ、体操、レスリング、バドミントン、陸上の競歩、自転車のBMX、新競技のブレイキン(ブレイクダンス)などで10個を超えそう。人気の水泳、卓球でもメダルが期待できる。「頑張れニッポン!」。
 ただ悲しいことに切り離されるべきスポーツと政治が「平和の祭典」のはずの五輪に今回も関わっている。ウクライナに侵攻するロシアと支援国ベラルーシは個人としてしか出場が認められず選手がかわいそう。ウクライナ侵攻はこの2月で3年目に入り終わりが見えない中、昨年はパレスチナとイスラエルの間で大きな戦闘が始まった。この2国の選手の参加はどうなるのか?
 スポーツの話題といえば、日本人にとって今年の大きな楽しみは大リーグ。今オフは日本のプロ野球から有力2選手が米野球界に加わったが、まだ交渉中がいる。私の勝手な予想によると日本人選手は新旧合わせて11、12人となる見込みで、にぎやかになる。その中で人気、活躍、所得、人格、体型、容姿…のどれをとってもダントツ1位なのは「日本が世界に誇る大谷」と、決めつけても反論する人はいないだろう。移籍先にドジャースを選んでくれてありがとう。大谷について書くとコラム内からあふれるため、ここまで。出し惜しみではないが今後は読者の皆さんのためだけに本紙で紹介したい。
 ドジャースはさらに25歳と若い山本投手を獲得。記者会見では「大谷への憧れ」への決別を宣言し、ファンを笑わせてくれた。日本屈指の右腕はメジャーでまだ1球も投げていないが、開幕投手の呼び声も高く、大谷とともにドジャースの2枚看板として期待がかかる。妙案になればいいが、日本人を母に持つロバーツ監督を担ぎ出せば「3枚看板」へアップグレードも。日本と日系社会自慢の至宝を応援し、盛り上げよう。
 日系社会では新年会を皮切りに今年も年中行事が各所で行われる。活発な活動の支えは互いを思いやる助け合いの精神だと私は信じている。日本の伝統文化や文芸、各種趣味、日系史の伝承、人権運動、日米交流など、活動は多岐にわたる。今から今年1年が楽しみでしょうがない。(永田 潤)

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