【川口加代子】 毎朝起きるとすぐにテレビのスイッチを入れる。出勤前には必ず天気予報によって服装や履物を替えなければならないからだが、もちろん朝一番のニュースにも興味はある。
この頃はもっぱら11月の大統領選挙に向けて予備選でしのぎを削る民主党と共和党のキャンペーンと、華やかなオスカー賞の行方、所かまわず繰り返される銃撃事件…、ところが今朝は「シュリンク・フレーション」という新しい言葉に出会った。
話題は、近頃どうも小さくなった(らしい)クッキーに始まり、そこから食品一般のパッケージサイズにおよび、とにかく消費者の懐を直撃して止まるところを知らない物価の上昇と大企業のケチな商法。
パッケージされたクッキーを買うことがあまりないので、個々が小さくなったことには気が付かなかったが、以前は1パックが5ポンド入りだった砂糖がいつの間にか4ポンドになり、値段も高くなっていることには気が付いていた。
「シュリンク・パッケージ」である。
消費者のご機嫌を損なわない程度に容量を減らし、ジリジリと価格も上げて二重で利益を上げているわけだ。
そこで思い出したのが、前回書いたマクドナルドのフィッシュサンドイッチの半分になったチーズの話である。あれは従業員がうっかり半分のチーズを入れたわけではなく、「チーズバーガーのチーズを半分にするわけにはいかないが、フィッシュサンドイッチならフィッシュがメインだからお客も気にはするまい」というせこいアイデアのようだ。
価格だけを上げれば消費者はすぐに気が付くし、懐具合が悪ければ買い控えをするだろう。しかし容量が少なくなっているのはすぐには気が付かない。気が付いたところで必要ならばやはり買わねばならない消費者の弱味もあれば、容量は正確にパッケージに印刷されているのだから訴えるわけにもいかない。
「シュリンク・フレーション」という言葉を知った途端に、フィッシュサンドイッチの外装にも、「チーズは半分になりました」と明記するよう提案したくなった。(川口加代子)
