やぐらと並び小東京の名所に仲間入りした大谷選手の壁画
お披露目された大谷選手の投打「二刀流」の巨大壁画

 小東京の都ホテルの外壁に描かれたドジャース・大谷翔平選手の壁画除幕式が27日、1街を封鎖して開かれ、ロサンゼルス市やドジャースなどの関係者と一般のファンを合わせて600人を超える参加者が巨大壁画の完成を祝った。関係者が大谷選手が新天地で活躍に期待を寄せ、壁画の完成に祝辞を贈った。
 ドジャースのチームカラーの青色の幕で覆われた壁画が作者ロバート・バーカスさんのカウントダウンによって除幕されると、紙吹雪が舞い大歓声と拍手が湧き起こった。北斎の浮世絵をほうふつさせる富士山を背に、大谷選手の代名詞である投打の「二刀流」の雄姿が現れ、小東京にまた一つ、新たな名所が誕生した。
 除幕式は翌28日に控えるドジャースの地元開幕戦に合わせて催された。壁画は2020年に始まった新型コロナ禍により多大な打撃を受け、回復の途上にある小東京のビジネスにとっては朗報。壁画を一目見ようと、試合前や試合後にファンが飲食に訪れることが見込まれ、地元経済への「大谷効果」が期待される。
「日米をつなぐ懸け橋に」
親日家の作者バーガスさん
大谷選手の壁画に思いを込めて

 大谷選手の壁画はボイルハイツ出身で日本を愛すロバート・バーカスさんが、地元ロサンゼルス、小東京、ドジャース、米国全体と、大谷選手の母国日本をつなぐ懸け橋となる思いを込めて「LA Rising」と名付けた。バーガスさんはボイルハイツから1街の橋を渡って小東京を訪れる際に目に入ってくる、ダウンタウンの摩天楼を背景にした都ホテルの白壁に目を付けた。ホテルに壁画のプロジェクトの熱意を伝え、高さ150フィート、幅60フィートのキャンバスの提供が快諾された。

「ゴー、ドジャース」と叫び、場を盛り上げる司会を務めた女優のタムリン・トミタさん

 除幕式では、来賓が祝辞を述べ、大谷選手の活躍に期待を寄せた。行動力で小東京コミュニティーを動かし壁画を実現させたバーガスさんを「ローカルヒーロー」とたたえ、大作ついては「突出した作品だ」などと称賛した。
 ホテルを所有する近鉄エンタープライズ・カンパニー・オブ・アメリカ(KEA)の南浦彰社長は、バーガスさんに向け「あなたの情熱がなければ、この壁画は実現することは決してなかった。これはあなたの傑作だ」と最大級の賛辞を送った。大谷選手の肖像画を描くことを認めたドジャースと大谷選手に敬意を表し、大谷選手に対しては「小東京には非常に多くの日本食レストランがあり、非常に多くの日本文化が存在し、非常に多くの素晴らしい住人が活動している。ここはあなたの新しいふるさとだ。ロサンゼルスにようこそ」と歓迎した。

大谷選手の壁画を背に笑顔を見せるKEAの南浦彰社長(左)と壁画を描いたロバート・バーガスさん

 曽根健孝総領事は、自身の任務である日米交流の促進を紹介した上で、「その中のスポーツ交流の促進は非常に重要で、大谷翔平選手がロサンゼルスに来てくれてとてもうれしい」と喜んだ。「小東京は日系米国人コミュニティーの中心であり、素晴らしい町である。そして今日ここにロバートさんの素晴らしい芸術作品が完成した。多様性のある異なるコミュニティーが力を合わせて成し遂げたプロジェクトに驚かされた。素晴らしい努力をうれしく思う」と語り、「この壁画が大谷、山本両選手の素晴らしい活躍につながればいい」と願った。
 謝辞を述べたバーガスさんは、「壁画プロジェクトが完遂できたのは、コミュニティーの人々の結束のおかげである」と強調した。壁画の効果を「大谷選手1人を超えてロサンゼルス全体を象徴した『チームLA』になった。日本とLAは大谷選手を愛し、日本の国と『ドジャーネーション』が一つになった」と誇った。
 ホテルの建物の南面に描かれた大谷選手の姿は、投打両方のポーズがドジャースタジアムの方向を向いて描かれている。ホテル入り口付近の外壁に貼られたQRコードにスマートフォンをかざしアプリをダウンロードし、壁画を写すと、大谷選手がフルスイングして打球を見つめ、また全力投球する「二刀流」の動画を見ることができる。(永田潤、写真も)

除幕式には、地元小東京の諸団体の代表に加え一般のファンが参加し壁画の完成を祝った
ボイルハイツ方面から臨む小東京。バーガスさんが思い描いていたダウンタウンの摩天楼に溶け込む大谷選手の壁画が現実のものとなった

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