夕日を浴びた空の雲が、翼を広げて飛ぶ大きな天使に見えた。6月のある日、車を運転中のこと。あまりにきれいだったので、信号待ちの間にスマホを取り出し、フロントガラス越しに写真に収めた。数日後に知らされたことだが、私が雲を見たちょうどその頃、日本で親友の1人が他界した。あれは彼女が天使と一緒に空に昇っていく姿だったと思う。
 小学校から高校まで同じ学校に通った同級生。多感な高校時代に全部で7人ほどの仲良しグループになった。卒業後はそれぞれの道に散ったが、20歳の時に誰が言い出したのか、1カ月に1度集まって食事をしながら近況を報告し合うことになった。以来40数年間、「月例会」と称してずっと続いている。出席できる人が2~3人しかいない時代があっても、途切れることはなかった。
 私は帰国した昨年12月に、ニューヨーク在住の仲間は1月に、他の友だちは5月まで、一緒に食卓を囲んだ。彼女はいつものように笑い、話し、食事をした。最後の最後まで、病気であることを家族以外の誰にも話さなかった。
 私は居ても立ってもいられず、弾丸特急で帰国して葬儀に向かい、「彼女らしいね」とみんなで泣いた。全てが彼女らしかった。とはいえ一番仲が良かった私たちにさえ何も告げずに突然亡くなったことは、グループの誰にとってもショックだった。彼女が病気を1人で抱えたことがふびんだった。
 私は十数年前に乳がんを患ったが、すぐにそれを皆に告げて、大騒ぎしたっけ。それを誰かが言い出して、1人が「私もがんになったら皆に言うからね」と宣言すると、「私も」「私も」と数人が続いた。でも黙っていた仲間もいたので、言わない選択もあるのだと知った。
 考えてみると、私たちは互いの違いを超えて半世紀以上もつながってきた。進路も、仕事も、趣味も、ファッションも、悩みも、人生そのものが全てバラバラだ。そして「月例会」は、金魚鉢から飛び出した私たち魚が元の水に帰り、一休みする場所とでも言おうか。
 最後に会った日の彼女の笑顔がまぶたに焼きついている。なぜ言ってくれなったのかと考える。「心地よい水をかき乱したくない」。それが魚座だった彼女の気持ちだった気がする。(長井智子)

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  1. 私もつい先日、アニメエキスポで開会式の盆踊りを担当した7月4日に河内音頭の仲間の一人がくも膜下で倒れたことを翌日知り、ダウンタウンから近い病院でしたので毎日通って彼女の最期を見送ることができました。バイリンガルの才媛、背が高くきれいな彼女はMCを務めてくれていて、つい最近53歳になったばかりでした。
    まだ49日は過ぎないけれど、彼女を想って、今年の二世ウィーク二日間踊ります。17日はプラザフェスティバルで、最終日のフラッシュモブで河内音頭が出させてもらうことになったので、ライブ活動が好きだったまゆちゃんも喜んでくれるんじゃないかなと思います。
    今を一生懸命生きることが大事ですね。合掌。