
日本語による各種社会福祉サービスやベテラン講師陣による充実したクラスを無償で提供する非営利団体、日系パイオニアセンターはこのほど、今年度総会と親睦会をモンテベロのクワイエットキャノンで催した。青柳剛前会長の後を継いだ小田和男新会長が就任し、会員ら約80人が新会長と役員の門出を祝い、親睦を深めた。
小田さんはこれまでに鹿児島県人会と南加庭園業連盟で会長を務めたことがあり、経験に基づくリーダーシップの発揮に期待が寄せられる。新任のあいさつでは、「理事会の投票で私1人だけが反対したが、他の11人は『はい。賛成です』と無責任な形で決まった」と話し、会長就任の経緯を冗談めかして説明。「そんな会長だが、どうかよろしくお願いします」と頭を下げた。

パイオニアセンターについて、「どのような活動をしているのか」とよく聞かれることから、2019の設立50周年時に発行した記念誌を読み直したという。1969年の設立から今年57年目を迎え、前任まで22人が会長を務めた。日系シニアのための社会サービスに加え、時事英語解説、米市民権取得など各種講座に力を注いだ他、専門の講師を招き健康増進や詐欺被害防止など、さまざまな有益なセミナーを開いてきたことを強調。現在も理事の中には生け花クラスの講師がいるなど、日本の伝統文化の伝承に寄与してきたことを力説した。
小田会長によるとクラスは13あり、華道、茶道(2流派)、日舞、着付け、民舞、刺し子、絵手紙、シニア椅子体操、ウクレレ、写真、コンピューター、iPhoneなど、伝統文化からITに及ぶ。小田会長はこうした充実したクラスを受けるシニアの会員について「米国では物事を始めるのに『遅すぎることはない』と、よく言われるが、このことはパイオニアセンターに本当によく当てはまる」と述べ、「学びたいという気持ちはとても大切だ。少しでも上達すれば自分を褒めてほしい。自宅からパイオニアセンターまで習いに来ることは、元気である証拠なので続けてほしい」と呼びかけた。また、「素晴らしいクラスが継続できるのは、先生方の尽力のおかげ」とたたえ、さらに、事務所業務で日々の運営を支えるボランティアの労をねぎらった。最後は、「先人から受け継いだこのパイオニアセンターを守っていくために、全力で頑張りたい」と強い意思を示し、万雷の拍手の中であいさつを締めくくった。

来賓が祝辞を述べ、パイオニアセンターの日本語による社会サービスの提供や、さまざまな生涯学習クラスををそろえていることに加え、シニアの「憩いの場」としても重要な役割を果たしていることを称賛した。日本総領事館で日系社会を担当する石井あや領事は、2年半前に当地に赴任し、日系団体が活発に活動し、日本文化を維持していることに「感銘を受けている」と話し、「年齢を重ねても皆さんが笑顔で過ごすことができる時間と、気軽に参加できるコミュニティーの存在はますます重要になってきているので、パイオニアセンターは大変貴重な役割を担っている」とたたえた。
2年の任期満了で退任した青柳前会長には、小田会長から感謝の盾と蘭の花が贈られた。クラスで指導にあたる講師が1人ずつ紹介され、大きな敬意の拍手が送られた。クラスの紹介として、講師の生け花や刺し子、着付け用の着物、大きく引き伸ばされた写真の作品や教材が展示され会場を彩った。
パイオニアセンターの問い合わせは、電話213・680・1656。ウェブサイト―

