自営業の自分はモバイル環境で仕事をしている。オフィスを借りればお金がかかる。だから節約のために便利なスペースを利用し始めた。まず、マンハッタンによくあるのがパブリックスペース。基本は屋内で、テーブル、椅子、時にはトイレもある。しかし、こういうエリアには電源がないので、ラップトップやスマホの充電ができないという難点があった。
しかし、それを克服する場所を見つけた。公共図書館だ。ここは親切にも電源まで用意されている。この便利なオフィスを見つけた時は有頂天になった。特に僕が頻繁に利用する図書館は1日30枚まで無料印刷ができ、スキャナーまで装備されている便利極まりないオフィスだ。しかも利用者は声を出せないので、環境が静かで集中力が高まる。しかし、それは逆にビデオ会議や電話会議ができないという問題にもなる。
だから会議をする時はカフェを使い始めた。ただ、会議の頻度が増すとインフレで、コーヒーも安くないニューヨークでは出費がかさむ。最初は必要経費だと諦めていたが、救いの神が現れた。ベーカリー・カフェのチェーン店「PANERA BREAD」だ。ある時、友達がここにはドリンクのサブスク・サービスがあることを教えてくれた。その名も「SIP CLUB」。
現在はキャンペーン中ということで、最初の3カ月は会費がたった月5ドル。2時間ごとに、リフィル可能なコーヒー、紅茶、ソーダ、レモネードなどが飲める素晴らしいシステムだ。そして、ここはカフェだから会議も自由にできる。トイレも電源もWi―Fiも全てそろっている。マンハッタンは店が狭いので長くはいられないが、自分が住むクイーンズは店も大きく、お客がいっぱいで座れないことは皆無。ここで対面のミーティングをすれば、自分の分はサブスクで無料だから、クライアントにご馳走しても出費は1人分で済む。さらに、夏は冷房、冬は暖房が入るから、アパートの電気代も上がらない。
僕のようなやからがこぞって会員になったら商売あがったりじゃないかと心配しつつも、今日もコーヒーをすすりながらパソコンをたたく手が止まらない。(河野 洋)
