20回記念の節目を飾る220ポンドの大物を囲み笑顔のメンバー
チームの部で220ポンドの巨大魚との格闘を制し、記念撮影するメンバー。前列右から千葉しげさん、木村げんさん、高瀬ハンクさん、石井健志さん

 南カリフォルニアを拠点に活動する日系の海釣り同好会「あさひフィッシングクラブ(AFC、中田和幸会長)」はこのほど、毎夏恒例のマグロ・チャーター・フィッシング・トリップを催した。2020年のコロナ禍による無念の中止を乗り越え、通算20回記念となった今回の釣行では、最大220ポンド(約100キロ)の巨大クロマグロを釣り上げ、節目を飾った。洋上では大物獲得の歓喜に沸き、長年クラブを支え続けるチャーター船のキャプテンと会長の「熱い友情の絆」が改めて証明される感動の航海となった。

185ポンドのマグロを仕留めた個人の部1位のテリー鷹鳥さん

 AFCの原点には、かつて南カリフォルニアの釣り界で名をはせた伝説のマグロ釣り師、故山本正一さんの存在がある。「マグロ釣りの圧倒的な楽しさとその醍醐味を多くの人々に知ってほしい」という故人の遺志を受け継ぎ、中田会長を中心にメンバーが「ワンチーム」となってこの伝統を守り続けている。

 釣行はフィッシング特有のスタイルである「2・5日トリップ(出航から24時間を1日と換算)」の日程で行われた。サンディエゴの「ポイント・ローマ・スポートフィッシング」から一級ポイントを目指した洋上では、海の王者にふさわしい巨大マグロとの壮絶な真っ向勝負が展開された。

 今回、船上を最も沸かせたのは220ポンドの巨魚とのファイトだ。強烈な引きに耐え、ついに巨大な魚体が海面に姿を現し、ギャフ(釣れた魚を針で引っ掛けて取り込むための釣具)が打たれた瞬間、船内は割れんばかりの歓喜に包まれた。クラブの歴史を振り返れば、19年にはクラブ最大記録の300ポンドのクロマグロ、22年には100ポンド超のブルーマーリンを仕留めており、今回もAFCの輝かしい歴史に新たな1ページを加えるものとなった。

船長と会長の固い絆

海が結んだ友情と信頼

 20回に及ぶ歴史を支えているのは、船のクルーとの間に育まれた深い信頼関係だ。特に、現在のチャーター船「ニュー・ロー―アン号」のオーナーキャプテンであるアダム・ウィリアムズさんと中田会長の間には、特別な思い出がある。

220ポンドの巨大マグロと撮影するメンバー最年長92歳の大内藤吉さん(左)

 2人の出会いは、かつてAFCがチャーターしていた「イクリプス号」に、ウィリアムズさんが若いクルーとして乗船していた時代にさかのぼる。洋上で過酷な釣行を共にする中で、2人は言葉や文化の壁を越えた深い友情と信頼を育んだ。その後、ウィリアムズさんが名船「ニュー・ロー―アン号」の船長・共同オーナーへと着実にステップアップした後もその絆は変わらず、17年からは同船でのAFCチャーターがスタートし、今年まで9年連続で行っている。

 中田会長は「アダム(船長)との長い友情があるからこそ、お互いの呼吸が分かり、最高のトリップが実現できる」と強調する。「大自然に挑む男たちの情熱と固い絆が交差するAFCの仕掛けの先には、これからも変わらない海のロマンと、温かい友情の輪が広がっていく」と語り、クラブの継続に意欲を示している。

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