日本の大学に通う20歳の女子学生が先日、弊社のオフィスに来てくれた。彼女は、今週末から一層の盛り上がりをみせる二世週日本祭を研究するため、先週末からボランティアとして小東京を訪れている。
「ハワイの日系史を研究している教授から、ロサンゼルスにも大きな日系社会があると聞いて、初めてその存在や歴史を知りました」。日本では、海外の日系史を学ぶ機会はほとんどないという。
彼女は、これだけ長い年月を経てもまだ力強く続く二世週祭の魅力にとりつかれた。「なぜこんなに続いてきたのか」、また「これから先はどのように広めて行こうと思っているか」。
それらの答えを見つけるためには、実際に自分で見て、聞いて、体験するしかないと、大学の「海外研修制度」に企画書を提出した。たくさんの応募の中から、最終面接を経て奨学金を手にしたのは彼女を含めて6人いるという。
「最近の日本には内向的な若者が多い」とよく耳にする中、このように海外に目を向け、新しい世界に飛び込んで学んでいこうとする学生もまだたくさんいることに嬉しさを感じた。
先月、二世週祭のマーク・ナカガワ実行委員長にインタビューをした際、彼女の到着を心から待ちわびていると話してくれた。そして、二世週祭に興味を持った20歳の若者が1人で異国の地を訪れ、学ぼうとしている力強さに感動していた。
ロサンゼルスに到着した彼女の日系社会の第一印象は、「とにかく人が優しい」「英語があまりできなくても、頑張って話そうとするとみんな真剣に聞いてくれる」だそうだ。そして、ボランティアを始めてまだ数日しか経っていないにもかかわらず、コミュニティーの一員として温かく受け入れられていると感じると話してくれた。
二世週祭がこれだけ長い歴史を経て、現代でも力強く続いている理由は、もしかしたらそこにあるのかもしれない。ボランティア活動を終えた後、彼女が感じたことや学んだことを聞けるのが、今から楽しみだ。
【中村良子】