ロサンゼルス市警察委員会は28日、無免許運転者に対する取り締まりの条例改正案を4対1の賛成多数で承認。今後、無免許運転者が交通規則に違反して車がけん引された場合、身分証明書や車両登録証、保険証明書を提示すれば、翌日には車を引き取れるようになる。交通事故の当事者や免許証が停止中の人、取り消された人は新条例の対象外となる。
 現在の条例では、無免許運転者が車をけん引された場合、最高30日間警察が車を保管することになっている。
 改正案はLAPDのチャーリー・ベック署長が提案していたもので、ロサンゼルスのビヤライゴーサ市長もこの提案を支持。車がけん引されると最高1000ドルの費用が請求されることから、貧しい人々にとってそのような大金は大変な負担であり、さらに不法移民の多くが車を必要とする仕事に就いていることから、30日間も警察が車を保管することは、彼らの生活を脅かすものであると主張していた。
 新条例を巡っては賛否両論だ。昨年LAPD管轄内で発生したひき逃げ事故は1万9000件。南カリフォルニア自動車クラブの調査によると、無免許運転者がひき逃げ事件に関与する割合は免許所有者より9倍も高いとみられていることから、反対派は市民の安全面を懸念する。
 ミッチェル・イングランダー市議も、カリフォルニア州法では無免許運転は禁止されているとして、新条例には反対の意向を示していた。一方、全米市民自由連合(ACLU)や移民支援団体は、現在の条例は運転免許証を申請することができない不法移民に対する差別にあたるとして新条例を支持していた。
 加州のギル・セディヨ下院議員(ロサンゼルス・民主)は先週、米国に長年住み、犯罪歴のない不法移民に対して運転免許証の交付を許可すべきだとする提案を発表。ベック署長をはじめ、ロサンゼルス郡シェリフ局のリー・バッカ局長もこの提案を支持している。  

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