書展の開幕を告げるリボンカッティング・セレモニーには堀之内秀久総領事夫妻、青木義男南加日系商工会議所会頭、三宅明己最高顧問、レスリー伊藤日米文化会館館長、それに日本からお祝いに駆けつけた産経国際書会の吉井雄二会長代行、平方峰壽名誉顧問、渡邉麗副理事長らが顔を見せ、賑々しく開幕を祝した。
日米合わせて約200点の作品が展示・紹介されている会場には、日系コミュニティーを中心に、各界の代表者ら多数の書道愛好家が集まり、書芸術として近年その価値が評価されてきている作品をじっくりと鑑賞。また、会場内に特設された揮毫席では平方峰壽、渡邉麗の両名による力強い揮毫デモンストレーションが行われ、来場者を唸らせた。
会場にはまた、日英両語で書かれた出品目録も用意されていて、作品鑑賞の助けとなっている。書道は、書かれた文字の美しさやバランスもさることながら、生田会長が説く「書を通して、人間としての生き方や在り方にも思いを凝らすことの大切さ」が、それぞれの作品から感じ取れるのは、50年という歳月の重みによるものなのだろうか。まさしく、書を見ることで人を見て、己を見ることにつながっていく感覚も味わえる書展といえる。
初日の4日には、50周年を祝う記念祝賀晩餐会が小東京のダブルツリー・ホテルで開かれ、華道、茶道などの文化団体や南加日商、県人会協議会、日系パイオニアセンターなどの日系コミュニティーの諸団体代表者ら230人余が出席。
堀之内総領事ら5人が祝辞を述べ、それぞれが半世紀にも及ぶ国際的な活躍をたたえ、観周前会長との出会いやその人柄に触れ、これまでの長い歩みに感謝と敬意を表するスピーチで50周年を祝福した。また、オバマ大統領からも「書道の普及と発展に著しい功績があった」ことを賞賛する、署名入りの祝い状が届いている。
米国書道研究会からは創立50周年を記念して、「日本文化の殿堂としての役目を担ってきている日米文化会館」(生田会長)に寄付金が贈呈された。
会場の特設ステージでは祝舞「七福神」(坂東秀十美)、独唱「未来」ほか(ヘレン太田)が演じられ、記念祝賀会に花を添えた。【石原 嵩、写真も】
書展会場で揮毫する産経国際書会の平方峰壽名誉顧問