ポーターランチの住宅街。住宅地のすぐ裏手の山の向こうにガス漏出事故が発生したSoCalGas施設がある
ポーターランチの住宅街。住宅地のすぐ裏手の山の向こうにガス漏出事故が発生したSoCalGas施設がある

 ロサンゼルス北部ポーターランチにある南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCal Gas Co)のガス貯蔵施設から大量のメタンガスが漏出している問題で、同社は当初、漏出停止作業完了後、住民への転居アシスタントを48時間以内に終了するとしていたが8日、期間の延長を発表。ホテルに住んでいる住民は最大で8日間延長されることになった。【吉田純子、写真も】

 昨年10月23日の事故発生以降、これまでに転住したポーターランチの住民は約5700世帯。昨年12月にガス会社側はガスの漏出をくい止められれば48時間以内に転居アシスタントを終了することでロサンゼルス市法務局と合意に至っていた。しかしこの措置に住民側からの反発が相次いだ。
 こうした住民からの反対の声を受け、住民代表グループほかマイケル・アントノビッチLA郡参事官、ポーターランチを管轄する12区のミッチェル・イングランダーLA市議らは期間の延長を要請。LA市のマイク・フォイヤー法務官が延長を許可した。アントノビッチ氏は住民の引っ越しや元の生活に戻るまでには十分な期間が必要として最大で30日間の延長を求めていた。
 今回の決定を受け、現在ホテルやモーテルで転居生活を送る住民は最大で8日間延長される。レントハウスで生活している住民は契約期間終了まで滞在することが許可されており、引っ越し費用として500ドルがガス会社から支給される。なおレントハウスを選んだ住民は契約期間が最長で3月31日までとなっている。
 施設周辺にあるポーターランチ・コミュニティー・スクールとキャッスルベイ・レーン・チャータースクールの2校の生徒は、現在暫定的に近隣エリアにある他校で授業を受けており、送迎にかかるガソリン代はガス会社が負担し、学期末に支払われる予定となっている。
 一方でポーターランチ在住30年以上で、現在転居先で避難生活を送る山口弘さんは「期間が延長されても、今まで漏出した大量のガスが大気中に漂っていることを住民は懸念しているのです。実際にプールに油やすすが浮いていたという近隣住民の話もあります。ガス会社は住民を帰す前にまず、健康そして環境にも問題がないことを保障する必要があると思います」と話す。
 ガス会社によると漏出をくいとめる作業が完了するのは2月下旬の見通し。当初は3月下旬と発表されていた。9日までのメタンガス漏出量は9万3千トンを超える。

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