写真展に出品する作品を披露するパイオニアセンターの写真教室で学ぶ生徒たち
サクラメントで撮影した服部純子さんの作品「Old Town Festival」
 日系パイオニアセンターの教育プログラム「基礎の写真教室」で学ぶ生徒20人による写真展が16(土)、17日(日)の両日、日米文化会館で催される。テーマの「アメリカ合衆国」に沿って、作品づくりに励んだ力作約120点が紹介される。

 展示は学習の成果の発表を目的に学期末に毎年開いており、今年で8回目を迎える。自宅の庭や毎日の散歩道、全米各所の旅行先で納めた写真や先月、写真教室の野外授業の撮影旅行でサンバナディノ・オークグレンのりんご園に赴いた際に撮影した作品などが披露される。
 モントレーパークに住む川本節子さんは、写真教室に通う友人2人に誘われ、1年前から夫の満夫さんとクラスを取っている。写真を習う以前は、コンパクトカメラや携帯電話のカメラで「何も考えずに見たままを気軽に撮っていた」というが、基礎を身につけてからは、必ず構図を決めてからシャッターを押すように心がけており「被写体がバランスよくフレームに納まるようになってきた」と上達ぶりを話す。だが依然、被写体がど真ん中や左右の片側に寄り過ぎることもあるため「難しい。まだまだ勉強しないと」と、旺盛な向上心を持つ。クラスで教わる写真の専門用語やテクニックなどを理解することは困難というが、習ったことを実践し、近寄って低い位置から

出品作2点を披露する川本さん(左)。岡田信行(中央)、緒方義親(右)両講師から習ったことを実践し上達につなげている
カメラを構えて被写体を大きく見せたり、室内など暗い条件での撮影では上や斜めからの光線が入る場所を選ぶ工夫をしてアクセントをつけている。「考えながらバランスのいい写真が撮れた時はとてもうれしくなる」と目を輝かせる。
 川本さんは風景を好んで写しており、朝夕の散歩にはカメラを携え、朝日と夕日を撮ることを日課とする。ハワイ旅行で撮った写真は、ワイキキビーチを染めた夕焼けと前景のヤシの木をシルエット調に表現し、影絵のように浮かび上がらせた自慢の傑作だ。今回の展示には、自宅の裏庭の藤の木に作られた巣の中の4匹のひなと、撮影旅行でのりんご園の小道の2点を選んだ。講師からは「大きく口を開け親鳥を待つひなと巣、横の葉っぱの三つがうまく構図に納まっている」「りんご園に続く小さな坂道を遠近法を使いながら両脇の茂みと、木々の影と光を上手に組み合わせている」とそれぞれ誉められた。
 講師の岡田信行さんは、生徒について「写真を学ぶことは容易ではないため、
佐藤晃さんがカリフォルニア州のモノ湖で撮影した「Osprey」
必死に授業に付いてきてくれた。とても勤勉で、すごいパワーが伝わってきた」とたたえる。展示会を「卒業展」と位置づけ、習得した技術の集大成であることを強調し「授業で教えたことをきっちりと守って、思い思いの表現で工夫を凝らして撮影してくれた。生徒の努力がどの作品にも表れている。『生徒の努力』を見に来てほしい」と来場を呼びかけている。
 展示会の入場は無料。午前10時からで、16日は午後5時、17日は4時まで。詳細はパイオニアセンターまで、電話213・680・1656。メール―
 nokada@hotmail.com
【永田 潤】
中川賢二さんがサンフランシスコで撮った「US Navy Blue Angels」

柏原秀司さんがアリゾナ州セドナで撮った「Red Rock」

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