グランドオープニングにあたり、ミツワ社代表の伊妻健之氏はあいさつで「これからのミツワ・トーレンス・デルアモ店は全米における日本食と日本文化の発信基地としての機能をますます強化していきたい。一緒にビジネスを展開する14社と共に新店を盛り上げていきたい」と述べた。
ミツワ社の親会社である宮城県仙台市のカメイ株式会社からは専務取締役の亀井淳一さんがあいさつした。砂糖、小麦、食用油などを扱う雑貨商として1903年に創業したカメイ社は、食から住、エネルギーに事業を拡大。1974年にPCHとホーソンの角にエクソンのガソリンスタンドを開業したのが米国進出の始めで、2012年にミツワ社を傘下に収めた。
亀井氏自身、若き日の留学時代にミツワの前身だったヤオハンに何度も訪れ、日本食料品店が米国での生活になくてはならない「ライフラインだった」ことを語り、また、1978年にトーレンスに滞在した際にデルアモファッションセンターを訪れ、「当時はショッピングモールという概念すら日本に知られていなかった時代で、想像できないほどの広さに言葉を失った」と語った。「このあこがれの場所にミツワがつながって、夢のようだ。これからも役に立てる店作りをしっていきたい」とあいさつを締めくくった。
開店祝いの特別企画のひとつ、100人の来場者に進呈される10ドルの買い物券をもらおうと、開店前から顧客の列ができていた。先頭に並んだハワイ生まれの日系人サン・トミヤスさんに聞くと、これまで移転前の店舗を利用してきており、この日は朝の4時半に並んだという。
伊妻代表は、「移転により、もっと多くの新しい人に日本の商品、食料、文化を知ってもらうことが期待できるが、根底としてこれからも日系の顧客の役に立つことを重要視していることに変わりはない。新店ではフードコートを増強し、パティオも作ったので、ぜひ家族で訪れて、寛いでいただきたい」と語った。
新しい工夫として、デルアモセンターと交渉して短時間駐車スポットを店舗前に作り、60分、90分の短時間の買い物客が便利に利用できるようにした。また、旧店舗にはなかった新しいテナントも入居している。
グランドオープニング当日にはフードや物販のテナントの一部はまだ営業を開始していなかったが、これから順次開店していく予定。
祝い太鼓が鳴り響く中、訪れた客は新しい店内を巡回し、開店特価の日本産米や菓子、飲み物などを買い求めていた。【長井智子】