ポケットモンスター、略してポケモンが登場して人気者となった時のことは覚えている。ディズニーキャラクターが描かれているアラスカ航空機があるように、全日空にはポケモンキャラクターの描かれた機体が登場。黄色いキャラクターのピカチュウは愛らしく、あちこちで縫いぐるみも目にした。しかしポケモン人気がまだ継続中だとは、それも世界中に展開されるに至っていることについては認識不足だった。
息子がポケモンUSAに勤務する知人から、息子のヨーロッパ出張が多いこと、ヨーロッパのポケモン熱はアメリカ以上らしくゲームの大会も各地で開かれていると昨年聞いた。
そしてこの夏日本に来てみれば、新作ポケモン映画が封切られ、JRは山手線にポケモンラッピング電車を投入してポケモンスタンプラリーを展開中。スタンプを集めて景品を手にしようとJRの改札口を出たり入ったりする子供たちの姿が目立つ。浜松町駅近くのポケモンセンタートーキョーでは、親に付き添われた子供たちがポケモングッズに殺到していた。
ポケモンセンターでの子供たちの熱いまなざしは、強いキャラクターのカードやフィギュア、高価なゲーム機器に注がれていて、ようやく私にも分かってきた。ポケモン・ビジネスは、キャラクターの可愛らしさや映画の面白さ以上に、仲間とのトレーディングカードゲームなど勝負に熱中する子供たちに大きく支えられていることが。そして次々と登場するポケモン新キャラクターが子供たちの興味を引き続けていることも。
任天堂によるポケモンゲームの登場は1996年。以来、小学生を中心に人気が浸透し、ゲーム、アニメ、キャラクターグッズを含むいわゆるポケモン市場は年間約3兆円(このうち、海外が2兆円)。今やディズニーに次ぐ規模のキャラクターフライチャンズと知って驚く。日本から海外に飛び出して大成功したキャラクターなのだ。とは言え、登場モンスターは500種を超え、私には到底ついて行けないが。【楠瀬明子】