10年以内にAIが人類を滅ぼす可能性は10%以上という警告を含む声明が、AI(人工知能)専門の研究者らによって出された。翻訳、デザインや映像作りの業務が、AI技術によって時間や予算も大幅に短縮され、効率的で便利なツールとして歓迎していた最中だ。主要な八つのAIに、10年後の日米の予測を問いかけた。
 アメリカは世界最多のデータセンター数(5427)を持ち、AI計算資源や総計算能力でも世界の中心だ。莫大な投資で急速に迫る中国にやがては追い越されるだろうが、科学研究開発はもちろん、軍事の「加速装置」として大飛躍する。企業のAI導入率は既に88%、10年後は100%だ。
 懸念点は、電力不足、冷却整備の問題、劇的な経済成長から生じる所得格差の拡大、労働人口の7%に当たる約1100万人の職種転換、法規制の不確実性がもたらす社会的混乱などだ。
 日本は、アメリカのような技術覇権を競う力はない。2036年には65歳以上が人口の33%を超え、急激な少子高齢化を背景に人手不足は明白だ。介護ロボット、自動運転買い物カート、役所の手続きをこなすAIエージェントが、「社会維持のインフラ」に向け、普及する。AIエージェントとは、人間からの細かい指示を受けずに、自ら計画しタスクを完遂するもののだ。日本の強みの製造業力を生かした高品質なロボットが生存戦略の鍵となる。
 経済産業省は関連技術に最大100億円の支援を計画。政府は最大1兆円の支援を行い、ソフトバンクなど44社が連携し国産AIの開発を進めている。デジタル庁の「源内」プロジェクトでもクラウド上での国産モデルの試用が始まっている。
 10年後のAIは、このように日米では異なる「社会基盤」を形成する。アメリカは「産業・科学・軍事を一気に加速する国」、日本は「AIを社会インフラとして慎重に統合し、労働力不足と行政効率を補う国」になるのだ。
 さらにアメリカは、宇宙空間の人工衛星にデータセンターを設置する。自分の予測だが、日本は万能ロボット商品が人気輸出品となる。AIは無限の可能性がある反面、自ら「悪用」という意識や自覚はない。合理的な判断(計算)の結果として単に行動を選ぶ仕組みだ。懸念が募る。(長土居政史)

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