キャッチボールをしながら、息子は私に聞きました。「どうしてアメリカより日本は弱いのか? 軍事力?」すこし考えて私が答える。「もちろん、アメリカの軍事力が強いことは確かだけれど、それだけがアメリカの強さではないよ」「では、何がアメリカの強さを支えているのか?」と、息子。「何だと思うか?」と、私。「んー」と考えて息子が答える。「プライドかな」すかさず、「どんなプライド?」と私が聞く。すると考えながら息子が答える。
 「日本人は、日本人であるというプライドが少ないと思う。日本の学校に行っても君が代を歌うこともないし、日本の国旗を見ることも少ないからね。日本の国旗を振るのはオリンピックやワールドカップなどの時だけで、あとは日本人だということを意識できないかも」「そうだね。アメリカでは学校でよく国家を歌うし、国旗もどこにでもあるから、いつでも自分がアメリカ人であるということを意識して生きているかもしれないね」と私が答える。続けて「アメリカではアメリカ人としてのプライドを植えつける教育をしているから、国を守ろう、もっと自分たちの国を良くしよう、という意識が働く。ここにプライドを持たない日本人との大きな差が出てくるのではないか?」と、私。
 「では、教育を変えればいいのか?」と、息子。「もちろん、教育や社会のシステムを変えることは日本には必要だね。だけど、もっと大切なことは、アメリカ人も日本人も、地球人だってことなんだ」と私が答える。「地球人として、日本は変わらないといけないよね? どうしたら変わるのか?」と、息子。「真に変えなければと思う人が、一人でも強く思い続け、そしてできるところから改革をし、発信し続けることが大切なのだよ。特に日米の懸け橋になり、地球人としての将来を背負う君たちはね」と私が熱く語る。息子との会話のキャッチボールは、いつまでも続きました。【朝倉巨瑞】

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