経営破綻していた大リーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャースは27日、プロバスケットボール(NBA)の元スター選手、マジック・ジョンソン氏らの投資グループに球団を売却することで合意したと発表した。買収が承認されれば、売却額は米国4大スポーツで史上最高額になる20億ドル(約1656億円)とみられ、ドジャースの資産価値の高さを示した。
 ジョンソン氏らの買収グループには、MLBアトランタ・ブレーブスやワシントン・ナショナルズの元球団社長スタン・カステン氏、ハリウッド映画プロデューサーのピーター・グーバー氏、80年代に活躍した英国人元サッカー選手のマーク・ウォルター氏、シカゴを拠点に展開する金融サービス会社のゲッケンハイム・パートナーズがいる。
 ワールドシリーズで6度の優勝を誇るドジャースだが、現オーナーのフランク・マッコート氏と元妻による球団資金の私的流用、離婚問題の泥沼化などで球団経営の悪化を引き起こし、昨年6月に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)適用を申請。11月にはマッコート氏とMLBはチームの売却について合意に至っており、同氏は本拠地ドジャー・スタジアムとその周辺の駐車場の所有権も手放していた。
 球団の買収には元ドジャースオーナーのピーター・オマリー氏、トークショーの元ホスト、ラリー・キング氏、ヤンキースやドジャースで監督を務めたジョー・トーリ氏、ドジャースの往年のスター選手オーレル・ハーシュハイザー氏やスティーブ・ガービー氏などのグループも興味を示していた。
 買収の合意事項には、マッコート氏と合同で本拠地ドジャー・スタジアムとその周辺施設を1億5000万ドルで取得することも盛り込まれた。裁判所が今回の売却案を承認した後、新オーナーの誕生となる。
 新オーナーのひとりとなるジョンソン氏はNBA現役時代、ロサンゼルス・レーカーズで長年活躍し、チームの5回の優勝に貢献。引退後は実業家として活躍しているが、人気は今も健在。観客離れが深刻化していたドジャースの地元ファンの歓迎を早くも受けている。同氏は「ドジャースの歴史の一部になれることに、わくわくしている」とコメントしている。
 野茂英雄投手が在籍時の監督だったトミー・ラソーダ氏は簡易ブログのツイッターで「優勝旗のなびく日が間もなく来ると願っている」と話し、1988年以来遠ざかっているワールドシリーズ制覇を待ち望んでいる。
 これまでの北米のスポーツチームの最高売却額は、2009年のプロフットボール(NFL)ドルフィンズの11億ドル。大リーグ球団としては09年のカブスの8億4500万ドルだった。 

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です