地震に津波、台風、集中豪雨・豪雪、噴火、そして最近では竜巻というように、日本が襲われた。こう次々と祖国に災いが振りかかると、科学的に根拠のない厄年(前厄、後厄まである)を信じなかった私だが、厄払いをする人の気持ちが、ようやく分かり出してきた。
 「禍を転じて福となす」「禍も三年置けば用に立つ」など、プラス思考のことわざもあるが、やはり災いは避けたいもの。いざという時に備え、防災の心得が大切である。こういった自然による災難は、警報や注意報の範囲を超えて甚大な被害を及ぼし、多くの尊い人の命を奪う。天災であるため、憎んでも憎み切れない。
 予期せぬ災害に対して「しょうがない」と諦めてはならない。手を打たなければ、人災となってしまう。「予想をはるかに超えた…」「想定外の…」などと釈明したところで、後の祭りに変わりはなく、言い訳にしか聞こえない。ある程度予想がつくものは、防災に努めることで被害を軽減したり防いだり、人命を救うこともできるのだ。
 日本ではまた、社会問題になるほどの大きな交通事故が最近相次いだ。先の連休中には高速道で大型観光バスが側壁に突き刺さったり、数件立て続けに各地で歩行者の列に乗用車が突っ込んだ。事故車両は見るも無惨に大破、事故の大きさを物語っていた。
 犠牲者の中には、妊婦とお腹の中にいた胎児もおり、現場に手向けられた花を見ると、いたたまれない気分になる。事故の原因は、運転手の不眠と過労による居眠りと持病の発作により、車の制御不能となったことは間違いないようで、再発の防止策が必要である。バス事故は多くの人の命を預かるプロドライバーにはあるまじき行為で、他方は未成年者による無免許も判明し運転は言語道断。犠牲者の冥福と負傷者の回復を祈るしかない。
 アメリカに住んでいると、車を利用することが多く、毎日の運転には気を配らなければならない。特にフリーウエーでは、重大・死亡事故につながる可能性が高まる。ここまでは、被害者的な立場で見てきたが、運転では自己の過失により他人を傷つけてしまう恐れがあり怖い。これだけは、避けたい。【永田 潤】

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