サンバナディーノ市議会は10日、連邦破産法第9条に基づく保護適用の申請を4対2(棄権1)の賛成多数で承認した。北加ストックトン、リゾート地マンモスレイクスに続き、ここ2週間に加州で財政破綻に追い込まれた3都市目となった。
 ロサンゼルスから約60マイル東に位置し、人口20万9000人の同市が抱える財政赤字は4580万ドル。6月に破産申請したストックトン市同様、長引く不況による失業者の増加、大幅な歳入減、また増大する年金費用や公共事業の負担増などにより財政が困窮、すでに余剰金を使い果たしており、市職員らの給料を凍結せざるを得ない状況に直面している。
 売上税に加え、住宅市場崩壊により資産税が著しく減少したことにより、サンバナディーノ市の税収入は年約1600万ドルも減少した。赤字対策として過去4年間にわたり、市職員の給与1000万ドル、人員20%を削減したにもかかわらず、負債額に変化はなく、他に手だてはなかったとした。
 市議会の承認を受けパトリック・モリス市長は、破産法の申請は同市にとって「汚点」であるとしながらも、申請しなければ警察や消防を含む市サービスに対し、「極めて過酷な削減」を強いられることになっていたと述べた。
 明らかになった同市の財政リポートには、市の会計ミスや赤字財政支出、増収の欠如、年金増、負債コストなどの対策を講じなければ、破綻申請後も再び破産状態になる可能性があると警告。市の運営方法を根底から変える必要があると指摘している。
 10日に開かれた緊急市議会会議には、多数の市民が詰めかけ、図書館や公共の安全など市サービスの停止だけは免れるよう訴えた。
 市議会の承認を受け、同市法務官は近日中に破産申請を行う予定だが、準備には約30日間を要する可能性もあるとした。
 加州ではサンバナディーノ市の他に、6月28日に人口30万人を抱える北加ストックトンが、また今月3日には人口7700人のリゾート地マンモスレイクスがそれぞれ破産法の適用を申請するなど、ここ2週間に破産申請する都市が加州だけで3件続き、他の自治体にも不安が膨らんでいる。

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