著名なショップが建ち並ぶ「ビヤライゴーサ・パビリオン」

ロサンゼルスの浜辺に打ち寄せる波を表現したターミナルのデザイン

 総額19億ドルをかけたロサンゼルス国際空港(LAX)トム・ブラッドレー国際ターミナルの第1期拡張工事がほぼ終了し、年内の本格オープンを前に22日、一般に初公開された。数に限りがあった無料チケットを幸運にも手にした来場者は、ロサンゼルスを象徴したデザインに、最新テクノロジーを駆使した新ターミナルの見学を楽しんだ。
 2010年に着工し、3年間に及んだ第1期改装工事。国際ターミナル内には、レストランやショッピングエリア、ラウンジ、子供用の遊び場などが含まれる総面積15万平方フィートのグレートホールをはじめ、ボーイング787やエアバスA380といった次世代大型旅客機に対応した9ゲートを含む計18ゲートが新設。ホールは、ロサンゼルス市長の名前にちなみ、「ビヤライゴーサ・パビリオン」と名付けられた。オーストラリア、ニュージーランド、米国、英国で100のショッピングセンターを運営するウエストフィールド社と共同経営者が7980万ドルを投じ、経営管理する。
 出店予定のレストランは、「Umami Burger」や「Chaya」「ink.sack」「Border Grill」などといった著名店をはじめ、スナックスタンドやカフェ、コーヒーショップまで31店舗。セキュリティー検査前の広場に9店舗、検査後のターミナル内に22店舗がそれぞれ出店を予定している。31店舗のうち、17店が地元ロサンゼルス出身という。
 またショッピングエリアには、「Fred Segal」「Coach」「Kitson LA」「Michael Kors」などの有名高級ブランドが軒を連ね、ウエストフィールド社に加え、DFS社が2500万ドルを投入し免税店の運営をする。店舗は、セキュリティー検査前の広場に10店舗、検査後のターミナル内に26店舗がオープンする。
 最新のマルチメディア環境が整ったターミナルのデザインは、白を基調とした曲線で統一され、ロサンゼルスの浜辺に打ち寄せる波を表現。高い天井と大きな窓から十分な自然光が入り、明るくゆったりとした場を提供している。フェントレス・アーキテクトのデザイン。
利用客のストレス軽減などを目的に採用されたセラピードッグ

 また、空港利用客のストレス軽減などを目的に、今年4月から全ターミナル内にセラピードッグが採用された。特別な訓練を受けた犬が飼い主とターミナル内を歩き、利用客に癒しを提供している。
 PUP(Pets Unstressing Passangers)と名付けられた同プログラムはLAXのボランティア事業の一環で、ワイオミング州に本社を置き、全米規模で病院や空港などの訪問を行っている「セラピードッグ・インク」の協力を得て実現。同様なプログラムは、サンノゼ、マイアミの空港ですでに採用されており、ロサンゼルスに続き、サンアントニオでも現在採用が検討されている。
 この日、友人とツアーに参加したグアマテラ出身の男性は、旅行で年に何度か国際ターミナルを利用するといい、新設したターミナル内を散策し、「明るくて、広々としていて解放感があって気に入った」と話し、オープンが待ちきれないと喜んだ。
 第2期拡張工事では、ターミナル東側のゲート、セキュリティー検査場、税関、入国審査場などが新設され、14年に完成予定。
 LAXは空港旅客数世界6位、アメリカ国内では3位の主要空港。現在63社の航空会社が米国96都市に毎日680便、世界30カ国の59都市に毎週930便の直行便を運航している。
【中村良子、写真も】
 
最新のマルチメディアを採用したタイムタワー(左)と行き先表示板

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