日本で期待することや将来の夢を語るプログラム参加者
 東日本大震災で被災した中学・高校生と南カリフォルニア地区の高校生との交流を目的に、米政府と米日カウンシル(アイリーン・ヒラノ会長)主催のもと昨年から始まったトモダチMUFG国際交流プログラムの今年の参加者26人の壮行会が6月29日、トーレンスのダブルツリー・ヒルトンホテルで行われた。来賓をはじめ共催企業の代表者や関係者などおよそ50人が集い、日本行きの切符を手にした当地の高校生の出発を祝福し、日本での活躍に期待した。
 
「たくさんのことを学んできてください」とエールを贈る米日カウンシルのイイノ理事長
同プログラムは日本政府支援のもと、三菱UFJフィナンシャル・グループのスポンサーシップにより実施されている3年間の交流プログラム。第1回目となった昨年夏は、被災地から20人の中学・高校生が南加地区を訪れ、当地の生徒たちとの交流を楽しんだ。
 2回目となる今回は当地の高校生が日本を訪れるプログラムとなっており、南加日米協会の協力のもと、ロサンゼルス郡、オレンジ郡、サンディエゴ郡在住の高校生を対象に募集が行われ、200人近くの応募者の中から26人が厳しい審査を通過した。
 一行は6月30日から7月14日の2週間、日本に滞在し、被災地・宮城でのホームステイやボランティア活動のほか、東京や京都、神戸、広島などの都市を訪れ、日本人との交流を通して、日米の相互理解を深める。
 米日カウンシルのトーマス・イイノ理事長は「日米の友好の絆は強く、今後も長きにわたり良好な関係を築いていかなければならない」とした上で、「われわれの使命は両国間のリーダーシップをとり、国際的に活躍できる人材を育てること。この素晴らしい機会を通して、常に心を開き、多くのことを吸収し実り多き旅にしてきてください」と呼び掛けた。
 南加日米協会のダグ・アーバー会長は、「18歳の時初めて日本に行き、人生が劇的に変わった。みなさんもこの旅で学んだことをこれからの人生で生かして下さい」と述べた。
 ロサンゼルス市警察のテリー・ハラ副本部長は「日本で築いた友情は生涯続くものになるでしょう。米国の代表として日本に行くことを忘れず、滞在を楽しんできて下さい」とエールを贈った。
 須賀正広・在ロサンゼルス総領事館首席領事は「ジョージア州アトランタでのホームステイ体験が人生に大きな影響を及ぼし、今こうして外交官として日米関係に携わっている」と自身の経験を振り返り、「これからみなさんが日米の懸け橋となるような人材になることを期待しています」との言葉を贈った。
 参加者のひとりレイチェル・タンさんは、「同プログラムは国際的な視野を養い、文化の違いを学べる絶好の機会だと思う。自分の祖先はベトナム人だが、日本の文化に大変興味がある。実際に日本文化に触れ、現地の人と交流できるのを楽しみにしている」と目を輝かせた。
 日本のアニメを見てから日本に興味を持ったというパリス・アンダーウッドさんは、小学3年生の時から抱き続けてきた日本行きの夢が今回叶った。「何よりホームステイが楽しみ。日本の生活を実際に体験できる貴重な機会なので、楽しんできたい」と期待に胸膨らませた。 【吉田純子、写真も】

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