チェアマン賞の盾をペリー市議(右端)から贈られたジョー・フリードマンさん(中央)と息子のライアンさん
 創立33周年を迎えた日米文化会館(レスリー・イトウ館長)は日本文化の功労者と、日系の地域社会の発展に貢献した人物に対する表彰晩餐会を6月30日、ビバリーヒルズのビバリーヒルトンホテルで催し、参加者約550人が7人の受賞者を祝福した。席上、この1年で他界したジョージ・アラタニさんやフランシス橋本さんら偉大な日系人を追悼し、その功績を振り返った。
友人のポール・テラサキさん(左)がプレゼンターとなり、パシフィック・パイオニア賞の盾を披露する広瀬さん
 「A Taste of Success」をテーマに行われた表彰式は、日本食文化の普及に尽力しビジネスを成功させ、寄付などを通して社会に還元する3人の活躍をたたえた。功労者の表彰は、ジョー・フリードマンさん(三河屋社長)と息子のライアンさんにチェアマン賞を、広瀬陽さん(メゾン・アキラのオーナー兼シェフ)にはパシフィック・パイオニア賞、マイケル・ヒデ・カルデナスさん(小東京のトラノコなど各所で飲食店経営)にアンバサダー賞が贈られた。地域貢献賞は、イク・キリヤマさん、リーランド・ロウさん、ディアナ・オノさんの3人がそれぞれ受賞した。
 フリードマンさんは、昨年他界し長年、同館理事を務めたフランシス・橋本さんの夫で、ハシモトさんのビジネスと、さまざまな社会活動を影で支えた。フリードマンさんは、フランシスさんが自社の三河屋と小東京、日系社会、日本をこよなく愛したことを強調し「フランシスは、2世として日系社会と日米関係のために献身した。みんながフランシスと彼女の業績
謝辞を述べるアンバサダー賞のカルデナスさん
を覚えていて、今夜の賞をもらって光栄である」と、声を詰まらせながら謝意を表した。
 パサデナでフランス料理店を営む広瀬さんは、和の食材を取り入れ地元から支持を得ている。受賞について「1人ではできなかったこと。私が人生で身に着けたことを次世代の日系社会の輝かしい将来のために伝えたい」と、武者修業時に覚えたフランス語を交えながら、さらなる社会貢献を誓った。
 カルデナスさんは、日本人の母親を持ち神奈川で生まれ、17歳まで暮らした。日本語を流暢にしゃべる。あいさつでは「自分の体の中には醤油が血として流れている」と冗談を交えながら「お客さんに『安らぎ』を与えたことで成功につながった」と紹介し、さらなる日本食文化の普及に意欲を示した。【永田潤、写真も】

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