達増知事が、プレゼンテーションを行いまず、東日本大震災で米国からの義援金や励ましの声に対し謝意を表し、復興への取り組みを説明した。ユネスコ文化遺産に登録された平泉やその他の名所、豊かな文化、漁場に恵まれワカメやアワビ、ウニ、ホタテ、カキなど海の幸が豊富で、鉄器など伝統工芸品は約900年の歴史を有するなどと説明した。一昨年8月から米国へ輸出が可能になった、いわて牛の特徴を「表面は霜降りで、甘みがあり、ステーキのみならず、しゃぶしゃぶ、すき焼きとしても楽しめる」とし、生産から消費されるまでの全流通経路をトレーサビリティーで品質管理し安全性を強調。米どころとして有名で、ブランド「ひとめぼれ」や地酒を自信を持って紹介し「今日はたくさん試食をして岩手のファンになってもらいたい」と願った。
脂が乗った和牛を試食した参加者は「とても柔らかく、ジューシーでおいしい」などと絶讃した。ウイリアム・ヒューズさんはハワイで、さまざまな食材をホテルやレストランに卸しており、この日はロサンゼルスの得意先の2業者を連れて参加した。いわて牛は高価だが「われわれの会社は、ニッチ(すきま)市場を知っている。需要があるので、肉の味をよく知る富裕層をターゲットに絞れば、ワギュー(和牛)は十分ビジネスになる」と話した。
訪米団は、先月30日からの4日間、トーレンスのミツワマーケットで物産展を開いた。岩手産の和牛とコメを使った和牛弁当は毎日、80食が完売するなど好評を博した。達増知事は「説明を熱心に聴いてくれ、現地の人の関心が高いことがわかった。同じ種類のいわて牛を多く買う人もいて、ありがたかった」と喜んだ。試食会での杉浦シェフの実演については「スカンジナビア風、ラテン風、フランス風、ドイツ風など、インターナショナルな料理に表現してくれ、いわて牛がグローバルな味として証明されたので、輸出に力を注ぎたい」と話し、コメや地酒、他の海産物とともに、米国でのキャンペーン継続の意思を示した。【永田潤、写真も】