1965年に発生し、当時のロサンゼルスの人種間の溝がくっきりと浮き彫りになったワッツ暴動から半世紀が経過した。13日に発表された南カリフォルニア大学(USC)Dornsifeとロサンゼルスタイムズ紙が行った人種間関係の世論調査結果によると、カリフォルニア州の有権者の3分の2近くが、同州の人種間の関係は他州と比べ良好であると答えた。

 有権者のほとんどが加州の人種間関係は安定もしくは改善されていると答え、悪化していると答えた人は全体の4分の1未満だった。
 また高齢者より若年層の方が、将来の人種間関係はさらに良くなると答えていた。
 今月4日にはサウスカロライナ州で交通違反を取り締まっていた白人警官が、その場から走り去ろうとした黒人男性を射殺する事件が発生。昨年にはミズーリ州で18歳の黒人少年が白人警官に射殺される事件も起きていた。世論調査では、警官が他の人種より黒人に対してより厳しい目を持っていると答えたのが43%と昨年9月の33%より上昇していた。警官の対応に人種間の差別はないと答えた人は全体の36%だった。
 また大多数の加州有権者が、加州では依然黒人とラテン系に対する差別があると答えており、半数近くの黒人有権者が時々差別を受けると答えた。ラテン系とアジア系の有権者では4分の1以上の人が時々差別を受けていると答えた。
 最新の国勢調査局のデータによると、加州人口の39%が白人、38%がラテン系、14%がアジア系、7%が黒人、2%がネイティブアメリカンとなっている。
 3分の1近くの有権者が近隣住民の人種は多種多様であると答え、4分の3近くが多人種の近隣住民との関係は良好であると答えている。
 調査では移民問題についても触れ、不法移民が加州経済に好影響を与えていると答えた人は57%で、5年前の40%より増加。
 また63%の女性有権者が時々性差別を受けていると答え、73%の人が同性愛者や性同一性障害の人は差別の被害にあっていると答えていた。
 調査は3月28日から4月7日までの期間、1504人の加州有権者に電話で行われた。
 ワッツ暴動とは、サウスロサンゼルスのワッツ地区で50年前に発生した人種暴動。白人警官が蛇行運転をしていた黒人家族を逮捕し、一部始終を見ていた黒人群衆が暴徒化した。ワッツ地区の住民の99%近くが黒人であるのに対し、管轄していたロサンゼルス市警察(LAPD)の警官のほとんどが白人で、警官に黒人に対する差別思想があったのではないかと住民感情が爆発した。

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