SNSで最近、日本の「空き家(AKIYA)」を紹介し外国人に購入を促す英語のサイトをよく目にする。田園風景に調和した立派な日本家屋やおしゃれにリフォームされた古民家など、その美しさと破格の安さに多くの外国人が興味を示すコメントを書き込んでいる。
少子高齢化が進む日本では今、空き家の数が900万軒という記録的数字になっており、これはニューヨークで暮らす全員に1軒ずつ行き渡る数らしい(CNNニュース5月7日付記事)。
総務省によると、日本の全住宅物件の14%が空き家で、地域社会の問題になっている。今年1月の石川県能登半島地震では、空き家で避難ルートが遮られたり、所有者不明の空き家が多いために撤去作業が遅れ、復興の障害になったという。
去年日本でカナダ出身の英語教師Mさんと出会った。Mさんは副業で、住人が亡くなり放置された空き家を安く買い取り自分で修理して外国人に貸す仕事もしていて、最近では副業の方が忙しくなったと話していた。日本では、新しい家ほど高値で売れて人気がある傾向だが、歴史のある建物をリフォームして住むメリットについて、Mさんは話してくれた。
外国人が日本の不動産を購入する際の規制は今のところないらしいが、言葉の違いや書類の準備などで実際のハードルはかなり高いそう。それでも近年、円安も追い風となり、不動産業者への外国人からの問い合わせは急増しているという。伝統的な建築様式の古い物件に価値を見出す欧米人らにとって、日本の空き家はとても魅力的なのだ。
家は人が住まないと急速に傷んでいく。私の母の実家も祖父母が亡くなった5年前から空き家で、床の間のある和室には天井から野生動物が入り込み無残な姿になっていた。これにショックを受けた母は昨年、実家の修復に取りかかり、姉妹らで維持していくことを決めた。
先祖代々が住んできた家は、空き家になってもなかなか手放せないものだけど、老朽化が進むと近所の住民を危険にさらす。少子高齢化で労働者不足に陥っている日本では今後、外国人労働者の数も増えていくだろうから、これら外国人の住まいとしての空き家の活用にも期待したい。(平野真紀)

