1920年代の羅府新報の様子。帽子を手に持つ右から2人目が当時の駒井社長。
1920年代の羅府新報の様子。帽子を手に持つ右から2人目が当時の駒井社長。

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読者の皆さま

 一世紀以上にわたって日系社会のニュースやイベントをお伝えしている羅府新報は、皆さまからの長年にわたるサポートに心から感謝しております。この度は、羅府新報の経営が危機的な状況にあることをお伝えしなくてはなりません。

 羅府新報は、今年の赤字予想額35万ドルを含め、ここ3年間にわたって75万ドルの損失を出しています。いま現在、この損失額は羅府新報オーナーの駒井家の資産によって補われている状況ですが、長期的な観点に立った場合、経営を維持していくことはとても難しいのが現状です。今年中にその状況を改善させることができなければ、羅府新報は今年の12月をもって、113年の歴史に幕を閉じることになりかねません。

 これは、1903年から続く伝統に終止符を打つこと、アメリカにおいて特別の意味合いをもつ日系日刊紙がなくなることを意味しています。

 羅府新報のスタッフと経営陣は日々、懸命に働いています。私たちは日系コミュニティーというものは、独立した新聞社の存在があって、より健全に発展していくものだと思っています。ひとつひとつの記事は、コミュニティーをつなげ、情報を周知させていくことでコミュニティーをより強いものにすることができる、という信念で書かれています。

 これからも羅府新報を存続させるために、今日から「オンライン購読」をみなさんにお願いするキャンペーンを始めます。1万人の方々に購読契約をしていただくことが目標です。それによって、およそ50万ドルの新しい収入を見込むことができ、さらに皆さまに楽しく読んで頂けるよう、紙面を充実した内容にすることができるのです。羅府新報は若い世代に向けたメディアのデジタル化にも、積極的に対応していかなくてはなりませんし、同時に、今まで通り紙媒体での新聞づくりを続けていきます。

 こういった厳しい現状の中、何十年にもわたって羅府新報を購読していただいている皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。もし、次世代の人たちにも羅府新報を引き続き読んでもらいたいと思ってくださるのなら、どうかこうした現状を広く伝えて、友人や家族に「オンライン購読」をしてもらえるようお願いしていただけたら幸いです。

 今後、このオンライン購読のキャンぺーンに関する具体的な内容が随時発表されますが、羅府新報はコミュニティー全体の新聞との立場で、改善策などのご意見も伺えたらと思っております。1万人というと気の遠くなるような数字に聞こえますが、日系社会の人口を考えてみてください。もし、全米に住む約百万人の日系人の1パーセントが購読契約をしてくだされば、目標を達成することができるのです。また、そのために、日系社会の各団体メンバーが購読契約を簡単にしていただけるよう、特典などの手続きを進めているところです。

 みなさんのサポートにより、羅府新報はこれからも日系社会に貢献することができると信じています。今日から羅府新報の新しい1ページが始まります。かつて、第442連隊の勇敢な戦士たちが「ゴー・フォー・ブローク!」をスローガンに闘ったように、私たちも、現在の状況を改善させるために全精力を傾けてまいります。

2016年3月26日

羅府新報社 社長・発行人  マイケル駒井

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