日本から世界へとはばたいた人気キャラクターはハローキティだけではなかった。今、犯人逮捕や死体発見に一役買うだけでなく、リオ五輪への観光客誘致にまでポケモンゴーが注目されている。
 ポケモンゴーは任天堂など3社が共同開発したスマートフォン向けゲームアプリで、スマートフォンのカメラを起動し、画面に映し出されたその場の景色に架空の生き物「ポケモン」が現れ、画面上で捕まえるゲームだ。
 利用者数は配信開始から1週間で6500万人を超え、19日の東京株式市場では任天堂の株価は前週末から14%以上も急上昇。売買代金は2276億円増え個別銘柄では過去最高額の7036億円となり、時価総額も4兆円を超えた。
 架空の生き物を追う同ゲームをめぐり、今現実世界でもひと騒動が起きている。ワイオミング州では川岸でポケモンを探していた女性が、偶然にも男性の遺体を発見。またゲームに熱中するあまり、歩行中に転倒したり、強盗に遭うケースも報告されている。
 ロサンゼルス郡レイクウッドでは、公園でポケモン探しを終え、帰宅途中の男性2人が、銃をもった強盗に襲われ、顔を殴られ鼻の骨を折るなどのけがをした。
 フラトン市では公園でゲーム中の男性2人が不審者を発見し、その人物がソノマ郡で殺人未遂容疑で指名手配中の男だったことが分かり、犯人逮捕に貢献する一幕も。
 所変わってブラジルでは、8月に開催されるリオデジャネイロ五輪を前に、ポケモンゴーの人気にあやかり、観光客招致をねらう動きもみられている。ブラジルではジカ熱や治安の悪化などの影響で、日本ゴルフの松山英樹をはじめ選手の五輪出場辞退が相次いでいる。こうした事態を受け、リオデジャネイロの市長が任天堂にポケモンゴーのブラジルでの配信を呼び掛けているのだ。ポケモンゴーの人気は今や社会現象化しているようにみえる。
 以前もよく小東京やアニメイベントの会場で、ポケモンキャラクターのコスプレをした若者を見かけることがあったが、日本発のキャラクターがこうして世界で爆発的人気を集めてくれるのは何だかうれしいものである。【吉田純子】

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