ホリデー・シーズンの真っただ中。郵便受けにはさまざまな団体から寄付要請の手紙が届く。
 寄付の依頼書はクレジット会社や医者などからの請求書とはちがって心乱れることもないが、どの程度の寄付をしたらいいのかと頭を悩ます人は多い。
 一度でも寄付したことのある団体からは毎年のように、忘れずに依頼書が届く。それも、当人のアドレスラベルの綴りを同封してくるなど、実にこまめな事務対応で、感心させられる。中には、ニッケルコイン(5セント)1個を同封してくる団体もあるのだが、浅学にしてその意味するところを知らない。
 日本なら5円玉を入れたりして、「ご縁がありますように」ということになるのだろうが…、それに近い意味合いなのか?
 さて、WalletHubという団体などのレポートによると、12月は金銭や物品の寄付が年間総額の約三分の一も集まるという。まさに「カキイレドキ」なのだ。また、2015年には総額3730億ドルの寄付があり、その71%は個人から寄せられている。
 さらにアメリカ人は金品の寄付だけではなく、ボランティアにも熱心で、6300万人の人が年間平均で52時間のボランテイァ活動を行っている。
 ここで面白いのは、州によって慈善活動に取り組む姿勢に差異が見られることだ。
 寄付する人の数、寄付金額、ボランティア時間などを人口比でみた場合、上位5州はユタ、ミネソタ、ノースダコタ、メリーランド、オクラホマ州の順。反対に博愛精神が低いとされる州は下からアリゾナ、カリフォルニア、テキサス、ネバダ、ハワイ州の順になっている。
 これは、あくまでも一つの傾向を示した調査結果に過ぎないが、興味深いのはユタ州のように先月の大統領選で共和党が優勢だった州がおおむね上位を占め、カリフォルニア州のように民主党が優勢だった州や接戦だった州が下位を占めていることだ。
 一般論として、民主党支持者よりも共和党支持者のほうが、寄付や社会奉仕活動に熱心な人が多いとされるアメリカ社会の一面を映し出している、と言ってもいいだろう。【石原 嵩】

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