ロサンゼルス市議会は8月30日、祝日として10月の第2月曜日に制定されている「コロンブス・デー」を「先住民の日(Indigenous Peoples Day)」に変更する議案を14対1の賛成多数で可決した。【吉田純子】

 コロンブス・デーの変更をめぐってはワイアンドット族のメンバーでもあるミッチ・オファレル市議が、2015年に先住民の日の制定を求める議案を提出。その後、LA市のヒューマン・リレーション委員会がコロンブス・デーを先住民の日に置き換える案を提案した。
 活動家からは15世紀にコロンブスが新大陸であるアメリカ大陸に上陸した際、多くの先住民を殺害し、残虐な行為を行った人物であるとの声が上がっており、同市議はコロンブスの名を冠するのは極めて無慈悲にあたると訴えていた。
 今後LA市ではサンフランシスコやバークレー、サンタクルーズ、シアトル、ミネアポリスといった全米の都市や、サウスダコタ、ハワイ、アラスカ、オレゴン各州と並び、10月の第2月曜日が先住民の日となる。
 反対票に投じたイタリア系米国人のジョー・ブスキアーノ市議は、イタリア系米国人にとって、イタリア出身のコロンブスを祝すコロンブス・デーは、イタリア系にとっては伝統的な祝日であるとし同議案に反対。
 同市議は1994年に国連が「世界の先住民の国際デー」とした8月9日をLA市でも先住民の日に制定し、コロンブス・デーをLA市の文化の多様性を祝福する日にすることを提案していたが、同日却下された。
 コロンブス・デーは1937年に米国の祝日に制定された。カリフォルニア州では2009年に当時のアーノルド・シュワルツェネッガー知事が州予算削減案の一環で、コロンブス・デーを州の祝日とするのをやめたため、州政府機関に勤務する職員は通常通り出勤している。一方、LA市では先住民の日は引き続き祝日で、市職員は有給の祝日となる。

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