構成吟を披露した各流派の吟士たち

 詩吟6流派で組織されている南カリフォルニア詩吟連盟(前田龍水理事長=観水流米国錦友吟詩会)主催による二世週祭吟詠大会が8月26日、モンテベロ市のクワイエットキャノンで開催された。各流派の吟士およそ100人が参加し、日頃の練習の成果を披露。構成吟も行われ、参加者は吟友の吟詠に耳を傾けながら、垣根を超えて各流派のそれぞれの発展を願った。【吉田純子、写真も】

 同連盟は国総流詩吟会、観水流米国錦友吟詩会、国峯流詩歌吟詠峰月流吟舞尚道会、日本国風流詩吟吟舞北米羅府国風会、榧本流米国錦龍吟詠会、日本國誠流詩吟羅府國誠会の6団体で構成され、現在約230人のメンバーがいる。
 二世週祭で吟詠大会を開催するほか、各流派が週に1度練習クラスを設け、年2回の大会を実施しているという。
 同大会は二世週祭の一環行事として行われており、今年で78回目を迎えた。二世週祭新女王のアリス・マリナ・アマノさんとコートたちも会場に姿を現し吟士らと交流した。


力いっぱい吟じる99歳の吟士越智国忠さん(国総流)
 大会は吟詠第1部と第2部に分けて行われ、各流派の吟士たちが日頃の練習の成果を披露。「漢詩をつくった日本人たち=貴族から庶民へ1400年=」と題した構成吟も行われ、各流派の吟士たちがそれぞれ漢詩の歴史を振り返る吟詠を披露した。
 同連盟は日系社会だけでなく、米国社会とも絆を築くように努めており、こうした活動を通して、米国で日本の伝統文化を継承し、日本文化への理解促進を図っている。今年2月には日系地域社会での活動が認められ、南加日系商工会議所(JACCC)とアルハンブラ市よりコミュニティー団体賞を受賞した。
 一方でほかの日系諸団体と同様、高齢化と会員数の減少に直面しており、「流派を超えて連盟を盛り上げていくことが大事」と前田理事長は語り、現在2年ごとに幹事流派が取り仕切っていた実務を、来年からはできる流派が分担して運営する形式に移行していくことになったと報告。「これからも元気に吟じていきましょう」と吟士たちに語りかけ、流派を超えた吟士らの協力を呼び掛けた。

当日会場では吟士たちに西日本豪雨の義援金の寄付が呼び掛けられた
 大会には99歳の吟士も出席。越智国忠さん(国総流詩吟会)は現在さくらガーデンズに住んでおり、週に1回開催される詩吟クラスに参加し、練習に励んでいるという。「良い先生に巡りあえ、詩吟を続けて50年以上になる」と話す越智さんは長寿の秘けつを「元マラソン選手だったので足腰が強いので歩くこと、そして詩吟が良い趣味になっているからではないか」と語り、今後も詩吟を楽しんでいきたいと話した。
 当日会場では今夏に襲った西日本豪雨の義援金の寄付が呼び掛けられ、吟士たちはロサンゼルスから1日も早い復興を願った。

吟士およそ100人が出席し行われた二世週祭吟詠大会

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