藤田会長があいさつに立ち、イベント開催にあたり個人と企業からの寄付の提供や多大な支援に「みなさんの尽力のおかげで、このステージをセットアップして今日を迎えることができた」と謝意を表した。長寿者に対し「本当におめでとうございます。ますます元気で、今日は最後までゆっくり楽しいひと時をお過ごし下さい」と、優しく語りかけた。協会の発展へ意欲を示し「オレンジカウンティーのより良いコミュニティー作りを目指したい。今後もみなさんのハッピーライフの手伝いができるようになれればと思う」と抱負を述べた。
各来賓が祝辞を述べ、松尾浩樹首席領事は「みなさんは本当に若く、元気でおられる。みなさんが、日系社会の発展と信頼の強化のために貢献してきたことが今、大きく花開いている」と称賛。「いつまでも元気で、若い世代を導いてもらいたい」と期待を寄せた。
80歳以上の表彰者は次の通り。(敬称略)
吐川ドン、吐川順子、樋口祐一、今村あきら、木村留雄、前村サミ、盛岡三郎、村田都、桜井享子、佐藤幸子、スミス美佐江、田中トヨ、田中昭、田中静子、山口悟朗、神部ビクター、滝澤恵
イベントでは、個人や企業の寄付による各種アイテムが競りにかけられ、会員手作りのデザートやクラフトなどの作品が販売された。収益は、協会が推進する福祉や文化事業、奨学生制度などの活動を通し、地域社会の発展のために活用される。
茶道の野田さん、剣道の荻窪さん受賞
よりいっそうの精進を誓う
日本文化継承者を支援する「練尾日本文化奨学金」は、各分野で師範や名取り、武道の有段者など、将来が嘱望される人材育成を目的とする。今年は茶道の野田絵美佳さんと剣道の荻窪遼さんが受賞。練尾家から奨学金千ドルのチェックを贈られ、よりいっそう精進することを誓った。
着物が好きで「昔のスタイルと、モダンな柄の組み合わせでファッショナブルに進化していて楽しい」。先輩茶人の着物を見るのも楽しく、着物姿だと米国人に声をかけられ話は弾む。将来は「日本と日本文化を広めることがしたい」
OCJAAについては「アメリカで寂しく一人ぼっちにならず、他の日本人と共有できるホームのような安心できる場所で感謝している。これからも優しいみなさんと触れ合って、いろんな大切なことを吸収したい」。お茶や生け花などの文化教室の充実ぶりに感心し「もっと学びたい気持ちになる」と向上心を示した。
荻窪さんは栃木で生まれ、6歳から剣道を始めた。渡米後、剣道は休んでいたが、12歳の時に再開し剣歴約10年。大会で入賞すると楽しさは増し、稽古に打ち込み腕を上げ3段の実力を持つ。「勝ち負けのことしか頭にはなかった」というが「成果よりも向上」の道教から考えを改めた。稽古、試合の前と後の礼を通し、相手を敬う剣道の真髄を悟る。スポーツ性と精神性の両面を持つ剣道の醍醐味は「体力にとらわれることがなく、一対一の駆け引きの果てしない対戦」。UCデービスに進学後も大学のクラブに属して稽古に励んでいる。
OCJAAの活動については、自身が体験した言葉の問題や新しい環境への適応など渡米した頃を思い出し「日本から移り住んだ人の手助けをしていて素晴らしい。『OCネットワーク』(機関誌)も日本語でいろんな情報を提供していてとてもいい」と話した。