会頭は「21年間続くお正月や24年間続く歳末募金、奨学金制度など、日商には伝統的なイベントがいくつもある。これらを成功させることが第一。商工会議所として、名刺交換会やセミナーなどを通じ、会員のビジネスチャンスを作っていくこと。かつて取り組んでいたアジア諸国の商工会議所との結びつきを復活させること。日本各地の商工会議所とも連携していくこと。『新1世』と呼ばれる次世代の子息の教育レベルを上げるための奨学金を出してくれる企業を見つける。そして、日系4世、5世の学資援助。これら6つの課題に取り組んでいく」 と抱負を語った。
来賓として出席した在ロサンゼルス総領事館小林大和氏はあいさつで、「日商の若者から高齢者までを対象とする継続的な活動をこれからも期待する」と述べた。
表彰式では日系スピリット賞が住山弘氏と米澤義人氏に、コミュニティー団体へ贈られる賞は「リトル東京歴史協会(LTHS)」に授与された。
住山氏は受賞のスピーチで「伝統ある賞をいただき光栄に思う。個人がもらったのではなく活動に対しての評価。一緒にやってきた方々に代わり賞をもらった」と謝意を表した。「活動の原点は1945年8月15日。小学校4年生で終戦を迎え、戦争の悲惨さを痛切に感じた。アイゼンハワー元大統領は『国と国とは利害関係がある。人と人の絆』が平和につながるといった。子供たちに戦争の苦しみを味わせないために、これからも力を貸してもらいたい」と話した。
米澤氏は受賞のスピーチで、七夕飾りを仙台から送ってくれた同市の『白松もなか』社長について話し、「訪米時には七夕飾りの材料すべてを持参して、飾り作りの達人も一緒に連れてきてくれた」と当時を振り返る。LA七夕まつりの成功は「自分の力は4分の1くらい。4分の1が妻(順子さん)、あとの2分の1はみなさんの協力のおかげだと思っている」。「ことしの目標はメトロの駅に七夕を飾ること。みなさんの力を借りて達成したい。LAXに飾られるまではがんばり続ける」。米沢氏は力を込めた。
「数多くある日系団体の中から選んでもらいたいへん光栄。小東京は目まぐるしい変化が訪れている。135年の歴史を保存する最前線として、大切な歴史資料や歴史的建造物の研究などを行なっている。多様性を持つ日系社会はさまざまなチャンスをもたらす。これからも繁栄し続けると強く信じている。大切な小東京を守るために個人や諸団体と協力し、ともに行動を続けていく」
川田会長から任期を終えた山﨑ジェフ一郎前会長に功労の盾が贈られた。山﨑氏は「みなさんに助けられ無事2年間を終えた。今年70周年を迎えた日商にも変わらなければいけない部分があることに気づいた。会頭ではなくなるが、引き続き貢献していく決意。具体的には、日本各地の商工会議所との結びつきを強めていきたい。広島の廿日市市や京都など、まずは一対一で話し合う感じで時間はかかるが、少しずつ進めていきたい」
最後は川田会頭の掛け声により、盛大な三本締めで終了した。【麻生美重、写真も】