国際調査が初めて行われた1790年は、ジョージ・ワシントン初代米大統領が一般教書演説を行った
 米国の国勢調査は230年前に始まった。初めて国勢調査が行われたのは1790年。では、初めて国勢調査でオンライン回答と電話回答ができるようになったのは? …それは今年、2020年である。今と昔はどんなに違うのか? 国勢調査のあれこれを知って、国勢調査を少し身近に感じてみよう。

 1790年の国勢調査は独立13州とケンタッキー、メイン、バーモント、南西地区(テネシー)の4区域を合わせた地域で行われた。2020年は50州とワシントンDC、米国領5地域(プエルトリコ、アメリカンサモア、北マリアナ諸島、グアム、バージン諸島)で行われる。
 1790年の国勢調査は馬や徒歩で一軒一軒を回って羊皮紙や動物革の台帳に調査内容を記入した。基準日は8月2日だったので、盛夏に各戸を回るのはさぞや大変だったことだろう。2020年の国勢調査ではパソコン、電話、郵便などさまざまな方法で回答が寄せられ、調査員が訪れるのは最後の手段。承知とは思うが現代の基準日は4月1日である。
 1790年といえば初代米国大統領ジョージ・ワシントンが初めて大統領教書演説を行った年である。2020年は東京五輪開催の年で、500人以上から成る米国選手団の活躍が語り継がれる年になることが期待されている。
 1790年当時の5大都市、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストン、チャールストン、ボルティモアを合わせた人口は11万人弱。今なら米国最大のミシガン・スタジアム(10万7601人収容)にすっぽり収まってしまう。1790年の国民総数は392万人。さて、2020年で予想される数字は…? 調査がよどみなく集計されるよう、協力して調査を成功させよう。

第1回国勢調査が実施された1790年当時の米国13州の地図
国勢調査の回答はお早目に
 今年は10年に一度の国勢調査の年。3月中旬(12〜20日ごろ)に、家庭に国勢調査を案内する郵便が届く。案内には調査局が推奨する「電話、Eメールによる回答」の方法が記載されている。日本語でも回答ができるので、案内が届いたらぜひともすぐに済ませてしまおう。回答に答えずにいると、回答を即す催促状が何回も舞い込むことになる。それでも回答しないでいると、5月以降は調査員が動き出して回答を迫られる。出来ればそんな事態にならないように、早目に回答を済ませてしまうのが得策だ。

国勢調査に協力しないといけないの?
 国勢調査への回答は「なんだか面倒くさい」「プライバシーを覗かれる気がして気が進まない」などと感じるかもしれない。確かに国勢調査に協力しなくても罰則や罰金を課されることはないかもしれない。だが、国勢調査から得られたさまざまな統計は地域社会の実態把握に役立ち、政策、予算配分や議員定数の決定などに幅広く活用される。例えば、日本語を話す人口が減ったと統計に出れば、日本語で出来る公共サービスが減ったり、10年後の国勢調査では日本語での回答が出来なくなってしまう可能性もある。回答内容は守秘義務に守られ国勢調査以外の目的にはいかなる要請にも開示されないので、安心して回答して地域発展に協力しよう。

米国人でなくても統計に数えて良いの?
 短期の旅行者でない限り、誰にでも「カウントされる権利」がある。全ての居住者が回答の対象なので、国籍の有無を問わず、永住権保持者はもとよりビザで滞在する駐在員やその家族、研修者や学生も含め、 一つの屋根の下に暮らす全員を一つの回答で答えることになっている。
 国勢調査の詳細はウエブサイト―
 2020census.gov/ja

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