2020年の国勢調査が進行するにつれて、公民権団体がさまざまな言語の電話ホットラインを組織し、情報を提供し、必要に応じてアンケートへの記入内容に不安な人々への法律サービスの紹介を行っていることに注目したい。
10年に1度の国勢調査は、毎年数千億ドルに上る税金を人口に応じて分配する政府に、情報を提供する。国勢調査は18世紀の合衆国憲法の文言にも含まれている米国最大のプロジェクトであり、参加は法律で義務付けられている。市民か否か、英語を話すか否か、住宅を所有するか賃貸かに限らず、あるいは特定の住居を持たないホームレスなども含めすべての人を漏れなく数えることを使命とする。
国勢調査は参加者の誰にもリスクを及ぼさず、利益をもたらすことを意図している。この点は広く理解されているため、国勢調査の秘密保持について自分たちのコミュニティーに理解を広げようと、「アラブ系米国人インスティチュート」「正義を推進するアジア系米国人」「弁護士公民権委員会」「NALEO(全米ラテン系選出協会)」の四つの公民権団体が手を挙げた。4団体の電話ホットラインは国勢調査のデータ収集期間中、運営される。国勢調査の案内はすでに一部のコミュニティーに配布されており、3月中旬から4月にかけて取り組みは本格化している。また、未回答の人々に対する連絡を含むフォローアップ業務は7月まで続くが、ホットラインはその間ずっと利用することができる。
アラビア語を話す発信者は、833・333・6864または844・3DDOUNI(アラビア語では「私を数えて」の意)に電話するように案内されている。この回線には西部時間の午前6時から午後6時までスタッフが配置されている。留守番電話に伝言を残した場合は24時間以内に返信することを約束している。
北京語、広東語、韓国語、ベトナム語、ウルドゥー語、ヒンディー語、またはベンガル語/バングラ語で話したい人は7月末までの期間、844・202・0274または844・2020APIに西部時間午前5時半から午後5時半までの時間に「正義を推進するアジア系米国人」まで電話をかけることができる。同団体は、24~48時間以内にすべての留守番電話の伝言に返信することを約束している。
「弁護士公民権委員会」は7月末までホットライン800・268・6820、または888・COUNT20を運営し、現在は西部時間午前6時から午後6時まで機能している。伝言メッセージは翌営業日の返信を約束している。
NALEOは、スペイン語を話す人向けに、電話877・352・3676または877・EL・CENSOで、西部時間午前5時半から午後5時半まで営業している。
ホットラインはすべて、英語での質問にも答える。各団体は基本的な情報に関する質問から法律相談、またはフォローアップが必要な事態に関する懸念までの国勢調査に関するさまざまな内容に対応する。
多くの人にとって、2020年の国勢調査に関する共通の懸念の一つは、回答者が提供する個人情報が本当に機密に保持されるのか、法で守られているというが約束は信頼できるのか、という点だ。適用される法律には、警察、米国入国管理局、または国境警備隊など、いかなる他の政府機関に対して個人情報を共有した場合、個人に対する処罰は最大25万ドルの罰金と長期の収監が含まれ、政府内の他の機関と比べて最も厳しい機密規制である。
しかし、これらの法律と約束が十分でない場合、米国内の法律専門家のネットワークを構築したMALDEF(メキシコ系米国人の法的弁護と教育基金)のような組織が手助けをする。国勢調査の機密保護の誓約を策定し、いわゆる数え難い人々の信頼を高めることを目的として、個人や組織の連合の力と影響力を使用して、国勢調査データの機密性の違反に対処し、抑止し、終結させる。
国勢調査局は、言語の壁を克服するための独自の取り組みの一環として、国勢調査に関する一連の27の教育ビデオを作成した。ここには12分弱の長さの日本語ビデオも含まれる。
国勢調査局のウェブサイト―
www.census.gov/
NALEOのウェブサイト―
www.maldef.org
NALEOのウェブサイト―
naleo.org
エスニック・メディア・サービスのウェブサイト―
ethnicmediaservices.org